Motorcycle
BMWの本格エンデューロモデルの市販型「G 450 X」が発表されました。
前のエントリーで、2007年の3月にBMWがテストを兼ねてレースにエントリーしていた所をスクープされ、その存在が知られたエンデューロレーサー「Sportenduro 450」(プロトタイプの位置付けの方が強いと思う)。ビキニカウルの形状から、市販型が存在するのは間違いと言われておりましたが、4月の正式公開以降、とんと話題が無かったのですが、ミラノショーでついに市販モデル「G 450 X」が登場しましたヨ。意外だったのは、「Sportenduro 450」を名乗らなかった事ですね。シャーシ設計から違うストリート主体の「G 650 X」と同じ「G」シリーズに組み込まれるとは思いませんでした。やはり、オフ車ブランドのHusqvarnaを買い取った事が影響しているのでしょうか?
デザインは、レーサーの「Sportenduro 450」と変わっていません。なので「G 450 X」も、あまりBMW的な個性を感じさせない、他のメーカーでもよくお目に掛かるエンデューロモデルのスタンダードなデザインとなっています。
ヘッドライト組み込まれたゼッケンプレートを兼ねたビキニカウルは、大排気量クラスに見られるようなフェンダーと一体になったようなデザインを採用し、唯一、「G 450 X」が、BMWのエンデューロモデルである事を感じさせる部分になっていますね。
面白いのは、タンクカバー兼シュラウドで、普通この部分は、あまり複雑な形状にしないのですが、エンジンシリンダーの横を、メインフレームと同じ太さのサブフレームが通る独特な構造のフレームの為に、どうしてもこの部分がボリュームが出てスリムな車体に見えなくなるのを嫌ったのか、大きく切り裂きを入れフレームを逃がす形状にして、車体がスリムな感じ見えるようにしています。苦肉の策みたいなところが、よりも無骨さを演出していて、良い感じですね。
「Motor Box」の記事と、「MCN」の記事によると、「G 450 X」に搭載されるエンジンは、数ヶ月間のエンデューロレースで鍛え上げられた、排気量450ccの水冷単気筒エンジンです。ピークパワーはこのクラスとしては優秀な50hpを絞り出しています。また、このエンジンには、逆回転するクランクが組み込まれ、より短くされたギアボックスという独特のレイアウトを採用することで、前後をより小型化し、よりスイングアームを長くする事ができているそうです。もちろん、欧州の排ガス規制ユーロ3をクリアしていて、吸気側のEFIに新しいシステムを導入する事で、パワーロスを少なくして、排ガス規制をクリアする事ができているそうです。ただし、これにより8.5リッターのタンクは、本来の位置を変更され、シート下に配置されているそうですヨ。乾燥重量は120kgと、ライバルより30kgロスがあるようなのですが、BMWにとっては未知の領域にあったモデルなので、仕方ないところでしょうか。
足回りは、前が直径45mmで300〜320mmの間でストロークするMarzocchi製の倒立サスペンションとなり、後ろがOHLINS製のモノショックサスペンションとなっています。
この「G 450 X」価格等は発表されていないのですが、2008年モデルとして近いうちに販売される事は間違いないそうです。ただ、気になるのは、先日BMWが買収したHusqvarnaのモデルとバッチリ競合するわけですし、性能的にHusqvarnaに分があるとしたら、今後どう住み分けられていくのかというところですね。もしかしたら一代限りのモデルかもしれません。もし、そうだとして、生産台数も少なかったら、BMWが独自で開発した唯一の本格エンデューロモデルとして、プレミア度は結構高くなるかもしれませんね。
個人的には、モタードモデルとかは出ないかなと思っております。