昨年のEICMAショーで、KTMが発表したコンセプトモデル｢790 Duke Prototype｣は、そのシャープなイメージの外観デザインが注目集めたのは記憶に新しいと思います。そのデザインの完成度が高かったので生産型の｢790 Duke｣がどこまで再現できているのか気になるところでした。コンセプトモデルの段階で既に走行可能状態だったということもあり、｢790 Duke｣の開発も速いペースで進んでいた様で、ついに生産型プロトタイプのスパイショットが撮影されました。

コンセプトモデルはあくまでデザインスタディーが主なので、法規上合わない箇所は変更が加えられてしまうのが常で、市販型が発表されると最悪似ても似つかないデザインになってしまう事が多々ありますが、｢790 Duke｣に関しては、そのままのデザインで発売されたら欲しいと思った方の多くは落胆しなくて良いぐらいコンセプトモデルのデザインが再現されています。

コンセプトモデルから大幅にデザインが変更された箇所は、大方の予想通りシート周りでした。特徴的だったシート下を通って、後端に排気口がを設置するというレイアウトは法規上採用できない為、スパイショットされた｢790 Adventure｣と同様に、スイングアームの下からシートの右側に円錐形のサイレンサーが設置されるレイアウトとなりました。

コンセプトモデルには無かったリアシートが追加され、それに伴いそれを支持する為のサブフレームも設置されたので、全体的に厚ぼったい感じになりましたが、シート下の開口部が再現されコンセプトモデルのイメージはギリギリ残されています。左側はエアボックス用の開口部ですが、右側は飾りのようです。

昨年のEICMAショーで、KTMのChief Sales OfficerであるHubert Trunkenpolz氏がMCNの記者に語ったところによると、｢790 Duke｣には、標準モデルとRモデルが設定され、標準モデルDが97hp、Rモデルが115hpの最高出力になると言ったそうです。Rモデルは、コンセプトモデルの様なシングルシートとなり、排気管の取り回しも変わる可能性があるそうです。

コンセプトモデルでは省略されていたフロント部分は、ミラー、スイッチ、インジケータ、そして新しいヘッドライトユニットが確認できます。透明なプラスチックが取り付けられたインジケータは、Euro4のデイライト規制によるものだと思われますが、試作段階の可能性が高く生産型では黒くなると思われます。メーター関係は他のKTMの2017年モデル同様にTFT液晶モニターとされ、プレミアムモデルという位置づけになるそうです。

ブレーキは、コスト削減の一環として、スペインOEMブレーキメーカーJ.Juan製が採用されている様です。ただ、これは標準モデルだけで、RモデルにはBrembo製となる可能性があるようです。

｢790 Duke｣の正式発表は2017年の後半(恐らくEICMAショー)で、2018年にはショールームで公開される予定です。価格は、競合する同クラスのYAMAHA｢MT-07｣と比べて高額となるそうです。｢MT-07｣は国内では710,640円で販売されているので、現行の｢690 Duke｣の950,000円前後の価格になるのではと思われます。プレミアムモデルである事は間違いないですが、コンセプトモデルようなデザインのモデルを所有できると思うとお値打ち感はあるのかなと思います。

引用元：MCN｢New KTM 790 is scalpel-sharp｣