Electric product
Apple「iPod」シリーズを、怒濤の大アップデート実施。でも、ちょっと拍子抜け。
12日、Appleが開催した「Special Event」は、大方の予想どおり、今や同社の主力製品となった「iPod」シリーズと、その関連製品の一大発表会でしたね。今回、ハードウェアで新しくなったのは、「iPod」、「iPod nano」、「iPod shuffle」と、ほぼ全ラインナップ。および、コントロールソフトの「iTunes」のバージョンアップと、「iTunes Store」が映画の配信サービスの開始。さらには、Appleには珍しく、無線LANを使ってリビングのテレビで、PCに貯められた映像を楽しめる「iTV(仮)」というマシンを来年発売という予告と、盛り沢山の内容でした。新製品はまとめて発表せず、小出しにするのがAppleのやり方なんですが、ここまで大盤振る舞いするとは思ってもみませんでしたヨ。
リビングへ進出するアップル、映画ダウンロードと新型iPodを発表
サンフランシスコ発--Apple Computerは米国時間9月12日、新しい映像配信サービスおよびiPodを発表した。これにより、同社iTunesストアから映画の購入が可能となった。
引用先:引用先:CNET Japan:ニュース
それでは、ショーの主役である「iPod」シリーズからいきましょうか。
新しい「iPod」は、基本的には5Gモデルに機能を追加したアップデート版というような位置付けで、外観は全く変わっていません。新機能として、ゲームソフトを「iPod」で遊ぶ事ができるようになり、「Bejeweled」「Tetris」「Texas Holdem」「Zuma」「Pac-Man」「Cubis」などがラインナップされています。また、ゲームは「iTunes Store」から購入もできるそうで、今後もゲームの数を増やす予定だそうですヨ。後、バッテリ寿命も更に伸ばされ、上位機種の80Gバイトモデルでは、最長6時間の映像再生を可能となりながら、画面が60%明るくなっているそうです。価格は、80Gバイトモデルが4万2800円(税込)、30Gバイトモデルが税込み2万9800円(税込)と、特に80GBモデルが魅力的な価格設定になっています。
新しい「iPod nano」の方は、傷つきやすいと不評だったプラスティック筐体をあっさりとやめて、傷に強いと胸を張るアルミニウムの筐体になりました。なんか、デザインが、かつてオシャレと女性に人気だった「iPod mini」に先祖返りしてまして、色も、青・ピンク・緑・シルバー・黒の5色から選べます。ただし、安い価格の2Gバイトモデルはシルバーしか選べず、同様に、価格の最も高い8Gバイトモデルも、黒しか選べません。色で楽しみたい場合は、4Gバイトモデルを選ばなければいけないというのはどうなんだろ。価格は、2Gバイトモデルが1万7800円(税込)、4Gバイトモデルが2万3800円(税込)、8Gバイトモデルが2万9800円(税込)と、手の出しやすい価格になっています。ほぼ、各グレードで約6000円の差があり、どのモデルを選ぶかで、悩みそうですネ。
「iPod」と「iPod nano」共通の新機能として、新しい検索機能が搭載されていて、検索ボックスに文字を入力することで、「iPod」に入っているコンテンツの情報を、今までの方法よりも素速く検索できるそうです。また、楽曲ライブラリは、今までは、自宅のPCで「iPod」と同期すると、他の場所にあるPCとは同期できなかったのですが、なんと、他の場所にあるPCと同期できるようになり楽曲の転送が可能になったんだそうです。間違って同期して消えてしまうっていうのが無くなったのは嬉しいですヨ。
新しい「iPod shuffle」は、1Gバイトという容量に変化は無いんですが、「iPod shuffle」と比べて大きさが半分になりました。「世界最小のデジタル音楽プレーヤー」なんだそうですヨ。筐体は「iPod nano」と同じアルミ製になりました。背面にはクリップが付いていて、ポケットとかに挟んで固定できます。価格は9800円(税込)。大きさの割には高い?!
既に、「iPod」と「iPod nano」は販売が開始されてます。「iPod shuffle」だけは、ちょっと遅れて10月に販売が開始されるようです。
まさに、お腹一杯って感じなんですが、各「iPod」とも順当な進化って感じで、Appleならではの新提案というものが薄いですな。機能が徐々に明らかになっているMicrosoftが発売を予定している「iPod」クローン「Zune」の対抗馬としては弱い様な気がします。なんか、前に書いたエントリーどおりに事が運びそうで嫌な感じがしないでもないですが、「Zune」の発表で話題を持って行かれないようにする為、発表前後に、本命の新「iPod」を投入すべく、今回はアップデートでお茶を濁したって事なんでしょうかね。「Zune」が出りゃ分かるか。
「iPod」シリーズの変更に合わせて、「iTunes」もバージョンアップして7になりました。「iTunes Store」で映画が買えるようになった(日本ではまだ)のに合わせての事なんですけど、基本的な使い勝手は変わっていないようなのですが、「iPod」の大容量化に伴い、ジャケット画像を表示できるリスト等が追加されていますね。ムービーや、ジャケット画像を表示してブラウズするモードでは、ページを捲っていくような操作感覚が、面白いですね。それと、今度の「iTunes」は、OSに載せられているアピアランスとは違う表現のアピアランスが採用されていて、見た目も新しく見せています。また、これまでよりも640ピクセル×480ピクセルといった高い解像度の動画を扱えるようになり、PCや、テレビで映画等を再生した場合の画質が向上しているんだそうです。といっても購入可能となったのは、The Walt Disney Company関連の映画会社4社の作品だけだそうで、ちょっと拍子抜け。まぁ、ここで売れりゃ参加する映画会社も増えるでしょう。楽観視し過ぎ?
最後は、謎の「iTV(仮)」(笑)。なんか、デジタル高精細テレビに接続するためのHDMI端子が付いていることから、テレビに取り付けて、PCから無線LANでデータを飛ばして、PCに入っている映画のデータとかをテレビで観るっていうシロモノらしいです。今まで、同じ様な製品は多くありましたが、設定とかが面倒なので普及しているとは言い難いモノでした。この「iTV(仮)」では、Appleどのくらい設定を簡単にできるかで、売れる売れないが決まるでしょうね。個人的には、凄く欲しいです。ただ、それなりの容量を誇る映画等のムービーファイルの転送をストレス無くやるとなると、もちょっと高速な規格が必要になるかもと考えると、ベースステーションと、AirMacカードは買い換えになるかもしれませんが...。
しかし、この「iTV(仮)」の発表は、Appleの考えている戦略の一部を予告的に見せる為のモノ何じゃないかと思いますね。恐らく「iTV(仮)」と同じ機能を持ち、動画再生に特化した新「iPod」が控えていているんじゃないかと思いますヨ。PCに貯められた映像コンテンツを、固定、移動に関わらず複数の機器で共有して再生できる環境って、凄くエキサイティングじゃないですか。お金はかかるけど、面白そうですヨ。(ワンセグ対応はムリだろうけど)
恐らく、Appleは、今回の「iPod」シリーズの更新は、Microsoftの「Zune」がどんなモノかと様子見で、本命じゃないんだよというメッセージも込められていると、自分的には判断しています。来年頭には「iTV(仮)」が発売されるということを考えると、次期「MacOS X」この関係で、何かスゴイ事をAppleは考えているのではないかと夢想せずにはいられませんね(大した事無い場合もあるけど...)。何だかAppleの今後の動向に目が離せなくなってきましたヨ。