Political and Economy
中共の外貨準備高が急減。691億ドル減で3兆ドル割れ寸前。
中共の外貨準備高が急減だそうで、速報値で691億ドル減の3兆516億ドル(邦貨換算で348兆円)となるようです。中共の短い歴史の中で、かつて無い速度で不景気が進行しているようです。
と言っても、もともと中共が発表する数字は、良い時はより大きく悪い時はより小さくする傾向があるので、信頼性に乏しく発表値よりも、実態は既に3兆ドルを割り込んでいると考えた方が良いと思ってます。表立って人民元の暴落を防ぐ為にドル売り、人民元買いの為替介入を実施しただけではなく、裏で為替や株式市場に闇介入もしているから目減りのスピードが目に見えて加速度的なのは、そのためじゃないかと根拠なく邪推しております。
これで米国のトランプ次期政権の誕生で、製造業の米国内還流政策や、FRBが利上げに踏み切る等々、新興国経済に打撃を与える方向になった場合、一気に中共経済は収縮に向かうかもしれないです。
日本の財政政策や金融政策はアベノミクス停滞で緊縮傾向なので、色んな意味で負の影響が出るんじゃないか心配しております。また、デフレで不景気に逆戻りになるのかなと思ってみたりしてます。
中国外貨準備が691億ドルの急減 公式的にも3兆ドルを割り込むのは時間の問題
2016年11月末の中国外貨準備の速報がでた。
マイナス691億ドルの減少で、3兆516億ドル(邦貨換算で348兆円)となった。
第一に輸出の激減によってドルの収入が減っていること。
第二に外国企業の直接投資が漸減傾向にあり、
第三に人民元暴落を防ぐために当局がドル売り、人民元買いを実施したためである。言うまでもなく外貨準備とは経常収支の累積である。
貿易黒字が主体だが、過去の統計を推計しても、それ以上のもの、すなわち外国からの直接投資の積み重ねを累計で統計に入れている。ついでに外国の銀行からのドル借入金も外貨準備に算入するほど統計はデタラメなのだが、いまはそのことは措く。中国は外貨急減に頭を抱えており、海外旅行に際しての持ち出し制限、ドル両替の規制、銀聯カードの上限設定などを春先から実施してきた。そのうえ海外からの土産に法外な課税をおこなったため、中国人の爆買いは「突然死」を迎えた。
あまつさえ、資本規制を導入、すなわち海外送金の上限を500万ドルに設定したため、中国企業の海外企業買収のテンポが急速に鈍化した。くわえて外国企業の利益送金が製薬されたため、たとえば日本企業の利益還元にも多大の支障がでてきた。
2014年末の中国外貨準備は3兆8800億ドルだった。
2015年末のそれは3兆3300億ドルになっていた。そして16年11月末の速報で3兆516億ドルと、ピークから二年弱で8284億ドルの減少ぶりを示している。小誌が何回か指摘しているように、共産党幹部の不正送金が3兆800億ドルといわれており、つまり帳簿上、巧妙に誤魔化しているにせよ、中国の外貨準備は事実上、マイナスである。
引用元:「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成28年(2016)12月9日(金曜日)