Motorcycle
BMWは「GS」シリーズの末弟「G310GS」を発表しました。
BMWは長年500cc以下の小中型モーターサイクルをカタログにラインナップする事は無かったのですが、新しいカテゴリーへの挑戦として2015年に「G310R」を投入しました。未だ日本にはカタログモデルとしてラインナップされていないのに、「G310R」をベースにアドベンチャーツアラーとして仕立てた「G310GS」が追加です。
上のクラスの「R1200GS」のデザインを小さなボディに押し込んだデサインは、「G310GS」が「GS」シリーズの末弟である事がひと目で分かります。スタイリッシュなフロントビークに、ラジエーターシュラウド、ヘッドランプカウル、タンク等の細かい箇所は「G310GS」独自のデザインが施されていますが全体のシルエットは「GS」そのものです。
シャーシは「G310R」と共通なのでスチールパイプフレームに排気量313ccで前方吸気の水冷4バルブDOHCシングルエンジンを搭載。最高出力を9,500回転で34hp、最大トルクを7500回転で28Nm発生させます。6速ギアボックスとチェーンドライブで後輪を駆動させます。乾燥重量は169.5kgとヘビー級ではないが不整地を走る用途では重たいので、オンロードがメインと考えたほうが良さそうです。5本スポークのキャストホイールと組み合わされるタイヤは、フロントが110/80 R19、リアが150/70 R17となっています。
「G310R」よりも49ミリ長いストロークとなっている41mm径のフロントフォークは調整機能がありませんが、リヤモノショックは調整可能なプリロードを備えていますので、標準装備のキャリアにオプションの30リットルのトップケース取り付けたり、パッセンジャーをリアシートに乗せた時も調整できるようになっています。ブレーキはフロントに300mm径のディスク1枚とラジアルマウントされた4ポットキャリパーの組み合わせて、ABSが使えます。後、メーターはLCDです。
他には、12ボルトの電源ソケットや、グリップヒーター、さらにオプションでシートを2つの高さ(820mmと850mm)から選べます。トップケースやパニアケース、センタースタンド等々、豊富な公式アクセサリーがオプションとして用意されています。
価格はまだ発表されていませんが、「G310R」が4290ポンド(日本円で約57万円:2016年11月現在)くらいなので、そこから大幅な値付けの差がある事はないでしょう。ただ問題は日本に回ってくるかですね。「G310R」はドイツでは生産されておらず、インドのTVSで生産が行われていますが、同じシャーシを共有する「G310GS」も恐らくTVSで生産が行われると思われます。生産能力が小さいのか「G310R」は未だ日本では販売されていません。TVSの生産能力向上するまで、欧州以外への供給は大夫待たされるかもしれませんね。