BMWはコンセプトモデルとして｢HP4 RACE｣を発表しました。全体カーボンづくしのDucatiの｢1299 Superleggera｣が発表されましたが、BMWの方はあくまでコンセプトモデルで、このまま生産型とはならないようです。カーボンパーツを大量生産する為の技術開発の過程から制作された車両でプロトタイプのプロトタイプって位置づけのようです。最終的には限定生産モデルとして販売が計画されているようです。ただ、Ducatiの｢1299 Superleggera｣の様な価格ではない可能性が高いです。

MILAN SHOW：こんにちはカーボンフレームのBMW｢HP4 RACE｣

｢｢HP4 RACE｣の背後にあるコンセプトは、カーボンファイバー製のメインフレームとホイールのアイデアを生産用オートバイに導入することです」と、BMWの新しいプロトタイプのプロジェクトリーダーであるChristian Gonschorは説明します。 「この新技術をより深く見直しただけでなく、顧客に失望させることのないとても高度なマシンを提供する機会です。」

ミラノでのEICMAショーで、BMWは｢HP4 RACE｣のデビューさせましたが、前日に明らかにされたDucatiの｢1299 Superleggera｣によって影が薄くなってしまいました。しかし、これらのバイクは両方とも炭素繊維技術を使用していますが、全く異なる方法で生産を行います。それは目指す目標が異なる為です。

Gonschor氏は次のように述べています。｢ホイール･リムとフレームの製造技術は非常に重要です。 これらのコンポーネントの製造には、多くの特許と技術革新があります。カーボン部品が金型から取り出されると、アルミ部品と同じように扱え、形が違うという事はほとんどありません。大量生産の準備の整える点で、柔軟性の高い正確な調整と、手作業で製造されたカーボン・パーツを使用した製造過程はまったく必要なくなりました。

これは非常に過激ではないかもしれませんが、BMWが行っていることは、現在金属が使われているようにカーボンファイバーを使用することをということです、Gonschor氏は、それが｢HP4 RACE｣プロジェクトの目標だと認めています。 BMWの自動車部門ではすでに経験している技術分野です。

BMW｢i3｣や｢i8｣などの自動車はすでに金属よりも軽くて強力なカーボンボディ構造を採用しています。 BMWは、炭素繊維メーカーのSGL Groupの株式を49％買収して、この新技術の先頭に立ちました。しかし、それはバイクの世界に何をもたらすのでしょうか?

｢カーボンシャーシは軽量化されているだけでなく、すべての幾何学的な形(剛性、屈曲、どこでも)する事ことができます。どのような物が作りたいかが分かれば、それを形することができます。アルミニウム製のフレームは、この点がはるかに制限されてしまいます。｣とGonschor氏は言います。｢常にコストがかかりますが、自動車部門の技術者が｢i3｣や｢i8｣で行ったように、私たちも次のステップに進んでいます。｣しかし、実際には機能するのでしょうか?

｢フレームとホイールの性能を見せたいなら、それを実現するのに最高のものは何でしょうか? 現在のスーパーバイク仕様のバイクでしょう! S1000RRは限界に近づいていますが、本当に限界に達するには、完全なスーパーバイク仕様のバイクを使用する必要があり、それは市場で最高のコンポーネントを必要とします。｣とGonschor氏は言います。

｢HP4 RACE｣のプロトタイプでは、WSB仕様のÖhlins製サスペンション、Brembo製ブレーキ、WSB仕様に非常に近いエンジン、これが最高の選択です。Christian Gonschor氏は、これらのコンポーネントを製品版に移行するのでしようか? 現在の｢HP4 RACE｣は予定される最終的な仕様で製作されたものではありませんが、将来のプロトタイプと非常に近いと考えられます。事実として、BMWのStephan Schaller社長が、2017年の後半には｢HP4 RACE｣の最終バージョンが限定生産モデルとなる事を認めました。

｢｢HP4 RACE｣のプロトタイプでは、カーボンメインフレームを大量生産する準備が整っており、手作業で製作されたプロトタイプではないことを世界に示したいと思います。｣とGonschor氏は結論づけました。｢バイクは未来の姿で、来年の上半期にはバイクの重量、仕様、生産量、そして価格などの情報を明らかにします。｣

引用元：MCN｢MILAN SHOW: Say hello to the carbon-framed BMW HP4 Race｣