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約20年ぶりにHOREXの新型コンセプトモデル「VR6」が発表。

HOREX VR6

ドイツのモーターサイクルメーカーHOREXといえば、日本では、元HONDAの技術者である佐々木和夫氏のCKデザインが開発に関わった「644 OSCA」で、メーカー名を憶えている人がいるのではないかと思います。「644 OSCA」以降、HOREXは新しいモデルを発表しておらず、メーカーとして存続しているのかも掴んでいなかったのですが、メーター類のリプロメーカーとして細々と運営されていたみたいです。完成車の製造からは身を引いていたのか、「644 OSCA」を作り続けていたのかは定かでありませんが、1991年の「644 OSCA」発売以来の新しいコンセプトモデルの提示てすから、実に約20年ぶりとなります。メーカーとして再び活発に動き始めるのは、今後の展開次第なのでしょうが、1920年創業という長い歴史を持つドイツのモーターサイクルメーカーが復活するという事は、大変に喜ばしい事ですね。

HOREX VR6

今回、HOREXが発表した新モデルの名称は「VR6」と言います。車体のデザインは、ネオクラッシック路線のネイキッドモデルで、現代的な車体構成でありながらも、古き良きHOREXの過去モデルのイメージを彷彿とさせます。しかし、細かい所は様々なデザイン的なトライが行われていて、1番目を引くのがタンク周りです。タンクの下半分がフレームと一体的になるような形状になっていて、機能部品であるフレームをうまくデザインに取り込んでいます。また、フレームが抱え込むエンジンもクラシカルなデザインされた外観を持ち、フレームとの隙間をできるだけ目立たないようにする事で車体との一体感が感じられるようになっています。個々だけ見る分には、極めて現代的なのですが、シートからリアフェンダーにかけては、クラシカルな雰囲気を生み出すためか、現代的なデザインではなくクラシックなデザインそのままといった感じになっています。ただ、後ろの足回りに、パフォーマンス重視のモノショックが採用されているので、古過ぎる印象は無く、うまくフォローされています。

MC24記事によると、この「VR6」に搭載されるエンジンは、この車両名を聞いたVolkswagenの自動車に詳しい方ならピンとくると思います。同社お得意の狭角V型エンジンから来ている様なのです。つまり、HOREXの「VR6」は、水冷6気筒狭角V型エンジンを搭載しているという事になります。ただし、Vバンクの角度は、現在Volkswagenが採用している10.6度ではなく、前に採用していた15度となっています。排気量は1200ccだそうです。バルブ数は公表されていないようなのですが、12バルブか24バルブかのどちらかでしょう。さらには、KOMPRESSORの文字が確認されますから、ターボチャージャースーパーチャージャーまで搭載されているようです。シート下の赤い部品が非常に怪しい。ドーピングたっぷりという事でピークパワーが174.1〜200hp位まで、最大トルクの155Nm位まで発生させているようです。

かなりハイパワーなエンジンスペックですが、ターボ付6気筒エンジンっていう事もあり車重が200kgを下回ることは無いでしょう。駆動系もチェーンではなくベルトを使っている事から、アウトバーンの国らしくアクセルを捻れば、それなりの速度は出せると思いますが、じゃじゃ馬な性格は期待しない方が良いでしょう。大人しめの性格が与えられていると思いますヨ。

足回りは、前が倒立サスペンション、後ろがモノショックとなっています。結構走りますヨって感じの本気度の高い構成になっています。フロントブレーキなんか、キャリパーをラジアルマウントしていますヨ。でもドイツらしく安全には気を使っていて、ABSとなっております。

2011年の発売を目指して現在開発中だそうで、価格は20,000ユーロ(日本円で約2,250,000円:2010年6月18日現在)ぐらいで発売したいみたいです。米国、欧州向けって事になると思いますが、高性能な大型ネイキッドモデルに定番な、ちょいワルな雰囲気が皆無なので、狙っている層にウケるか微妙な感じですね。カフェレーサー何それって感じもありますから、そっち方面のウケも悪そうですし。HOREXの久々の新型モデルなので売れて欲しい気もしますが...。はてさてどうなるか。

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このページは、naganagaが2010年6月18日 14:37に書いたブログ記事です。

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