Motorcycle
ライバルを蹴散らせ、Ducatiは本気でパワーアップした「Multistrada」を発表。
海外の情報サイトでは、しつこいぐらいにスクープされまくっていたDucatiのデュアルパーパスモデルの新型「Multistrada」なんですが、ついにというか、やっとというかEICMAショーで公開されました。スクープ記事では、「Maxienduro」とか、「Openroad」とか名前を予想されてましたけど、結局「Multistrada」でした。
公然の秘密状態で、Ducatiの開発拠点付近の公道で、偽装を施した姿のプロトタイプモデルが試走を繰り返しているスクープショットをしつこいくらいに何度も撮影されていたので、何か驚きの感動みたいなモノが無いんですヨね。欧州では、かなり気になるモデルであるのは分かるのですが、やり過ぎです。
ただ、外したのは名前ぐらいで、スペック的な予想はある程度当たりましたね。
デザインも、丸分かりの偽装だったモノですから書くモチベーションが上がらないのです。アッパーカウル周りは、なんか水鳥の頭って感じですね。フロントフェンダーがモロのクチバシに見えますヨ。この顔は、滑稽に見えるか見えないかで評価が分かれそうですね。滑稽に見えた人は、まず購入の選択肢には入らないと思いますね。
シュラウドもオンロードモデルのサイドカウルの様な処理で、元々オンロード寄りだった「Multistrada」のコンセプトを表しているようです。
タンクからシートカウルにかけては、国産4メーカーのツーリングモデルっぽい感じになってナンか拍子抜けした感じです。イタリアメーカーっぽいデザイン提案が無いのは残念です。ただ、替わりに右側にまとめられたサイレンサーの形状は面白いですね。後ろに控える巨大なサイレンサーを隠すためにうまく処理していて、しかもカッコウが良いと思います。
フレームは、「Multistrada」に様に新しく設計されたモノのようで、今までDucatiのモデルには存在しなかったピボットプレートが採用されています。Ducati的には、ピボットサポートだと言い張りそうですが、どう贔屓目に見てもピボットプレートとしか見えません。増大するパワーに伝統は勝てなかったという事なんでしょうね。
まぁ、BMWの「R 1200 GS」とライバルなんて報道されているようですから、あの個性の強いデザインに対抗してアクの強さを全面に出して勝負しているって感じですね。ちょっとドイツっぽい所に流されすぎている所も感じるんですけどね。
エンジンは、これまで搭載していた空冷エンジンを捨て去り、パフォーマンス重視という事で、水冷4バルブ90°V型2気筒エンジンを搭載しました。ピークパワーを9250回転で150hp、最大トルクを7500回転で118.7Nm発生させます。デュアルパーパスモデルとしては過剰なぐらいのハイパワーだと思います。クラッチは、湿式が採用されているようで、大夫扱いやすくなっているようです。
足回りは、フロントサスペンションは、ノーマルモデルの場合、Marzocchi製の直径50mm倒立サスペンション。Sモデルの場合、Ohlins製の直径48mmの調整可能な倒立サスペンションとなります。これに組み合わされるブレーキシステムは、ラジアルマウントされたBrembo製の4ポットキャリパーに320mmセミフローティングディスクが左右に装着されます。さらに「Multistrada」ではABSを追加しています。リアサスペンションは、ノーマルモデルの場合、Sachs製のモノショックで、Sモデルの場合、Ohlins製のモノショックとなります。これに2ポットキャリパーに245mmのブレーキディスクとなります。
「Multistrada」は、装備の違いで3タイプ用意され、スタンダードモデルの「Multistrada 1200」、Ohlins製のサスペンションやカーボンパーツなどを装備する「Multistrada 1200S Sport」、パニアバッグなどを装備する「Multistrada 1200S Touring」となっています。
で、気になるお値段なんですが、もう既に国内価格が発表になっていまして、スタンダードモデルの「Multistrada 1200」はABS無しが1,850,000円、ABS付きが1,965,000円、「Multistrada 1200S Sport」が2,350,000円、「Multistrada 1200S Touring」が2,350,000円となっています。水冷エンジンを搭載したので200万円越えはあると思っていたのですがいっちゃいましたね。ただ、ライバルもほぼ同じ価格帯なので不利って訳ではないけど気軽には清水の舞台から飛び降りられる価格じゃなくなった事に、ちょっと寂しさを感じてしまうのでした。