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BMWのWSBホモロゲーションモデル「S 1000 RR」の市販が発表されましたヨ。

BMW S 1000 RR

昨年、BMWが50年ぶりにモーターサイクルレースに復帰を決断し、その舞台をWSBに定めた事を発表した時、レーサーモデルの「S 1000 RR」を発表しました。BMWがこれまでラインナップしてきたどのモデルよりも高性能をアピールしたスタイルと性能は、衝撃を持って伝えられましたね。

WSBに参加する為には、レーサーと同等(あやしいのもありますが)のデザインと性能を有したホモロゲーションモデルを販売しなければいけません。BMWは既に2009年シーズン頭から「S 1000 RR」で参戦しているので、ホモロゲーションモデルの正式に発表が待たれていました。

そして、ついにというか、ようやくというか「S 1000 RR」のロードモデルが発表されましたヨ。

ロードモデルとなった「S 1000 RR」のデザインを見ると、BMWの他モデルで採用されているデザインからは想像もつかない程、他社のホモロゲーションモデルの様に、アグレッシブさを強調したデザインとなっています。2気筒のスーパースポーツモデル「HP2 Sport」に見られる高い目のハンドル位置など、BMW流ともいえる一徹さをかなぐり捨てたスポーツ指向のデザインは、他社で見飽きていても、何故か新鮮です。

BMW S 1000 RR

ただ、近年のBMWデザインの特徴として、左右非対称というのがありまして、今回の「S 1000 RR」もそれに準じております。新しい一徹さを感じますヨ。

既にレーサーモデルで、サイドカウルのエアスクープが左右で形状が違うというのは知られていましたが、なんと、ヘッドライトの形状が左右で違うのです。向かって左のライトは、耐久レーサーイメージの丸目、対して、向かって右はのライトは、カウルの形状に合わせた角目となっています。両方とも左右対称にした場合にしっくり来るデザインなんですが、左右非対称だと、何だか変な感じです。モーターサイクル界の「あしゅら男爵」と異名を取りそうです。

他は、レーサーモデルと同じデザインとされ、日本車っぽい感じも残っています。よく見ると各部のディテールが若干違っていたりしています。一体で成形されていた部分が、別パーツになっていたりしていますヨ。見た目も大切なロードモデルですから、お色直しをしましたって所ですかね。

Motor Box」の記事によると、搭載されるエンジンは、レーサーモデルと同じDOHC4ストローク水冷4気筒(ウェットサンプ)というフォーマットを採用し、排気量は999ccで、ボアが80mm、ストローク49.7mmとなっています。13,000回転で142kW(193bhp)のピークパワーと、9,750回転で112Nmの最大トルクを発生させ、乾燥重量183kgの車体を加速させます。180度クランクが採用されているので、高回転を狙った性格になっている様です。エンジン単体の重量は59.8kgと軽く、カムシャフトやカムチェーン、カムの構造を見直すことにより小型化が実現され、1クラス下のモデル並なんだそうですヨ。スリッパークラッチ装備の湿式クラッチと、6速トランスミッションからドライブチェーンを使ってパワーをタイヤに伝えます。

排気系は、より静かでクリーンな排ガスとする為に、色々なトライが行われています。排気管は4-2-1と集合されているのですが、2つのサイレンサーを使って消音しているそうです。2本から1本にまとまる所に、大容量の1つ目のサイレンサー(多分キャタライザー兼ねる)があり、ここである程度消音してから、通常の位置にある小型の2つ目のサイレンサーでさらに消音します。しかし、この排気系は、エンジンパワー、トルク等の性能は高い水準で維持されているそうで、エンジンのマッピング、スピード、スロットル位置にリンクされている、シリンダー出口部分に設置された2本のバイパスパイプの間に設けられた制御フラップと、1つ目と2つ目のサイレンサーの間にある制御フラップを開閉させて、消音やキャタライザーによって減少している排ガスの逆圧の充填を増加させています。なんとBMW F1エンジンの技術が基礎になっているそうです。

いかにしてパワーを減少させないか苦心しているのが分かるのですが、この大パワーを扱えるのか心配になりますヨね。心配しなくても大丈夫ですヨ。最近流行のトラクションコントロールを「S 1000 RR」もちゃんと装備しています。さらに「S 1000 RR」では、スーパースポーツレースの為に開発されたRace ABSとDTC(ダイナミックトラクションコントロール)と組み合わせることで、悪天候の時でも、安全に走行できるようにブレーキとパワーの調整を行っているそうです。全て全自動では味気ないので、ちゃんとボタン操作で過激から大人しいまで5つの走行モードを選択できるようですヨ。

フレームは、アルミ製のツインスパーが採用され、小型化されたエンジンに合わせて小型化されています。最適なねじり剛性を得る為に、エンジンを前方に32度傾けているそうですヨ。タンクは600ccのモーターサイクルと同じ大きさなんだそうで、いかに車体が小さいか分かります。

足回りなんですが、フロントサスペンションは、直径46mmの倒立となっています。これにRace ABSが組み込まれたブレーキシステムが組み合わされています。brembo製4ポットキャリパーがラジアルマウントされていますが、見慣れないABSの為の装置が追加されていますので専用モデルでしょう。320mmのフローティングブレーキディスクにはABS用のギア(右のみ)が付いています。リアサスペンションは、お馴染みのモノショックの様です。スプリングの色は赤だそうです。

車体色は、銀と黒と黄のソリッド3色と、ワークスカラーのトリコロール1色が用意されます。フレームの色は黒のみとなるそうですヨ。

なんか、「S 1000 RR」全体の構成を見てると、レースに勝つっていうより、ワインディング最速を目指しているんじゃないかと思える程ですね。Race ABSとDTCとの組み合わせなんか。安全で速いっていうBMWの哲学が反映されてるし...。ちなみに、操作系は、左右別々BMWウインカースイッチは廃されて、国際的なウインカースイッチになっているそうです。今まで、特殊な操作系で一見さんお断りだったBMWが、他社ユーザーに売り込む気満々ですヨ。

気になるお値段ですが、15,850ユーロ(日本円で約2,128,000円:09年5月11日現在)だそうです。後は、為替関係無しのBMWJapanがどのくらい上乗せするかでしょうね。250万円はいっちゃうかな〜。欧州他社のモデルと大差なかったら良いのですが、どうなる事やら。

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このページは、naganagaが2009年5月11日 18:03に書いたブログ記事です。

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