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日本の病巣、偽装談合共産主義の闇はより深く、「偽装国家II 〜底なし篇〜」を読んで滅入ってしまいました。
今回は、「偽装」というキーワードを軸に、「利権談合共産主義」のはびこる「偽装国家」日本の利権構造を分析した、戦うコラムニスト勝谷誠彦氏の著作、扶桑社刊「偽装国家 日本を覆う利権談合共産主義」の第2弾、「偽装国家II 〜底なし篇〜」ですヨ。買った理由は単純明快で、偽装された利権に対してズバズバと切り込む著者の姿勢が前作で面白かったからに他なりません。今作も前作発行以降も次々と明るみ出る偽装された利権に鋭く批判の矛先を向けているのを期待して読み始めました。帯のコピーどおり、まさしく「いいかげんにしろ!」と叫ばせてくれるのか楽しみです。
残念なのは、今回も、氏がテレビ番組のコメンテーターである為、本の内容が、どうしても氏がよく番組で発言している内容が多く重複してしまっている点ですね。著者の発言集となっている部分が多々ありますから、目新しさがやはり薄く物足りなく感じてしまうかも知れませんが、怒りで我を忘れてしまう部分が多いので問題ないでしょう。
この本で言う「偽装」とは、自らの利権を確保するために、本当の姿を隠蔽して、差し障りのない姿で誤魔化す事なんですが、今回も、あらゆる利権が「偽装」されて存在していると言うことが書かれています。読んでいると前作よりもパワーアップしたうんざり偽装事件が次から次へと出てきますヨ。
読み進めていくと、いかに日本が、新規参入を妨げ、既存の人達や企業だけが利益を得るような構造を維持を目的とした閉鎖されたシステムの中で動いているのかというのが、分かります。偽装をなぜ行うのか、談合を発生させ、小さな集団の関係性の中で利権を確保できるからみたいですね。それは、高コスト社会を生み出し、その損害を良民常民は、長年に渡って被ってきた訳です。高校野球の特待生まで利権になっているとは思いもよりませんでしたが...。
で、今回面白かったのは、「利権談合共産主義」の権化として大マスゴミ批判をしているところですね。大マスゴミは、世間に与える影響力を背景とし、何人も批判させる事がない閉じられた談合利権構造を作り上げ、今や第四の権力と呼ばれるぐらい力を持った存在となってしまいした。読売新聞主筆の渡辺恒夫氏に至っては、日本のフィクサーだと気取る位に増長してしまい手が付けられません。日本の総理大臣を選ぶ事にさえ自分達の意見を反映させようと、国民世論を大マスゴミ各社が談合して誘導した事実は、怒りを通り越して呆れてしまいすヨ。
挙げ句の果てに、色々な分野で大マスゴミ各社の統合、協力関係が進み、より談合構造の闇は深くなっていくようですから始末が悪い。しかも、約1兆円の個人資産を持つ教祖様がいる某偽善宗教団体とか、庶民のなけなしの金を搾り取る非公営賭博産業や、ヤクザがらみ高利貸し、リコールを隠しているかもしれない世界1の某自動車メーカー等々、自分達の高すぎる給料になる広告費を払ってくれる有り難いスポンサーの都合が悪い事件は華麗に見逃す腐敗具合ですヨ。
大マスゴミ批判以上の分量で書かれているのが、やはり官僚が関わっている偽装談合です。紹介されている事例の内、半分程に及んでいるように感じましたヨ。直接利権に関わっていたり、規制を強化して新たな利権を作り出したりとかしている様は、いかに官僚組織が腐敗し、官僚自身もバカになっているのかが、アリアリと分かります。さらに、大マスゴミと同じく、利権圧力団体や悪徳企業にも弱いときたもんですから、救いようがないですね。
第四章で触れられた、先日逮捕された守屋武昌前防衛省事務次官が関わったとされる収賄事件の過程で発覚した。防衛省が兵器の購入する際に出入り業者と交わした随意契約において、同様の兵器を米軍が購入する時に払う費用よりも、2割以上も高い価格で購入し、その差額は一部は企業に環流し、最終的には政治や官僚へと流れているという事実とか、伊賀市で発覚した、在日朝鮮韓国人に対して住民税の減免する措置が取られ、その余剰金を官僚が横領していた事件とかが、象徴していると思いますヨ。
また、それを正す役割の政治家諸氏も、談合利権作りが忙しいようで、何もしないがウリの福田政権誕生は、これら利権を手放したくない利権を持った老人達が必死に作り上げたものだという事が分かります。日本に変わって欲しくない人が大勢いるんですね。
しかしながら、捏造しても、インターネットですぐに暴かれるという時代になり、そろそろこの偽装談合共産主義も終わり日がうっすらと見え始めているのかもしれません。インターネットを政府が封殺する事をしなければという前提ですが。
しかし、本書では、この「偽装談合共産主義」を打破する解決策は、民主党への政権交代しかないんじゃないかとしています。売国政策を持つ民主党は危険かもしれないが、あえて政権を取らせる事で、利権構造を断つというものです。政権を取る事で、左巻きの議員は、現実的な政策に反発して出ていくので、収まるところに収まるという主張なのですが、偽装辞任を党首がしかけても分裂しない民主党の姿を見ていると、個人的にはあまり賛成できないですね。
でも、こういう暴論的な部分もないと議論の元ネタとしては面白くないので、スタンスとしてはこれで良いと思いますヨ。まぁ、解決方法は別にして、日本の病巣とも言うべき「偽装談合共産主義」に対して正しい知識と怒りもらうには良書であると言えますので、前作の偽装国家 日本を覆う利権談合共産主義」と併せて「偽装国家II 〜底なし篇〜」を読んで頂きたいと思います。「いいかげんにしろ!」と叫んで下さいね。
- 偽装国家II~底なし篇~ (扶桑社新書 22) (扶桑社新書 22)
- 勝谷 誠彦
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- 結論が安直すぎでは?
- 利権偽装を見抜く目
- 世の中中偽装の世の中と思ってしまいます。
- 勝谷節が全くでていない・・・・
- 偽装と談合の構図を理解するとわかりやすい
by G-Tools , 2008/03/22