Motorcycle
Ecosseが放つ超高級モーターサイクル「Heretic Ti」が登場。しかも通販。
昔から、上を見たらキリが無いと言いますように、最近では、車両価格が1000万円に届かんとする市販型としては超高級なモーターサイクルが発売されております。今の所、MV AGUSTAが昨年発表した「F4CC」が100,000ユーロ(日本円で約16,290,000円)と、最高額を付けていたのですが、その記録を破るさらに超高級なモーターサイクルが発表されましたヨ。それは、Ecosseという米国に本拠地を置くメーカーの「Heretic Ti」というモーターサイクルです。同社の「Heretic」の最高級版という位置付けのようで、このモデルも贅を尽くしましたと言わんばかり価格74,800ドル(日本円で約8,320,000円)ですので、納得な訳です。
そのアプローチは、MV AGUSTAの「F4CC」や、Ducatiの「Desmosedici RR」とは間逆で、性能をレーサー並にまで高める事ではなく、素材や加工技術で高級感を演出するという方法をとっています。自動車に当てはめると、Rolls-RoyceやBentleyのような位置づけでしょうか。モーターサイクル版走る応接間?
そういうコンセプトと言うわけで、デザインは、米国のメーカーということも含みの古き良きアメリカンクルーザーの文法を踏襲しています。ただ、ポジションに関しては、スポーツ指向の強い欧州の市場を睨んでいるためか、足を投げ出して乗る典型的なアメリカンスタイルではなく、スポーツ走行ができるように、カフェレーサー風のポジションを採用しています。
そこらのコンセプトの曖昧さを表すのか、前半は、寝た角度で取り付けられるフロントサスペンションと、小ぶりなヘッドライト、幅の広い涙滴型のタンクといってオーソドックスにまとめられています。良くも悪くも見慣れたデザインです。後半は、うって変わってスポーティーさを強調し、リアカウルを短く、薄くするという現代的なデザインとなっています。アップマウントされたサイレンサーも、それを強調していて、後ろから見た時のイメージは、前から見た時のクラッシックなイメージと全く違います。すごくアンバランスなデザインなんですが、これが不思議とまとまっていて悪くないんですヨね。流石は破格に値段が高いだけのことはあるって事なんですかね。
で、外装の素材なんですが、当然のようにオールカーボンだそうです。また、金属パーツ関係も削りだしパーツが多用されていまして、贅沢にというか、無駄にというか、コストが掛かっていますヨ。
「Motor Box」の記事と、「MCN」の記事によると、「Heretic Ti」に搭載されているエンジンは、空冷4ストローク45°V型2気筒というフォーマットで、排気量は2150ccとなっています。エンジンパーツはアルミブロックを削り出しを使っているそうです。吸気系には、今となっては珍しいMIKUNI製の45mm径のキャブレターが採用され、排排気系のチタニウムのエキパイと、削り出し部品のみで組み立てられたサイレンサーとの相乗効果によるものなのか、ピークパワーは200hpで、最大トルクは29kgと、値段分の性能が叩き出されていますヨ。ちなみにノーマルバージョンでは、排気量が1960ccで、ピークパワーは130hpです。トランスミッションは6速が採用されています。
このアルミ削り出しエンジンを包み込むパイプのフレームの素材は、チタニウムが使われ、軽量化と高剛性を両立しています。しかし、これだけの軽量化にも関わらず、乾燥重量205kgと意外と重たいんですヨ。けっこうアルミの削り出しパーツって重いんですかね。
足回りは、前後ともOHLINS製のサスペンションを使用しています。しかも、レース仕様の最高級品ですヨ。このサスペンションが、ノーマルでありながら、この角度で取り付けられている市販車は初めて見ましたヨ。これに組み合わされるブレーキは、前が2枚のブレーキディスクに、ラジアルマウントされた6ポットキャリパーで、パットが1ポットに対して1枚というように独立しているため、1つのキャリパーで6枚のパッドを使用しているそうです。消耗品ですらもスペシャルの様ですから、メンテ代もかなりの高額が予想されます。
もう、あまりに豪華過ぎて感覚が麻痺しちゃいそうですヨ。普通の金持ちでも、ちょっと傷が入っただけで大騒ぎしちゃうんじゃないですかね。で、この「Heretic Ti」のお値段なんですが、275,000ドル(日本円で約30,600,000円)と、2位に圧倒的な差を付けて最高額です。家とか、ヨットとか、高級自動車とかが楽々買える価格ですヨ。これを買える金持ちは、モーターサイクルマニアか、高級品自動車で買うものが無くなったかのどちらかでしょう。
で、この「Heretic Ti」は、なんとインターネット通販で買えるそうで、受付はhttps://20ltd.com/でやってます。ただ、そこには44,000ポンド(日本円で約9,930,000円)という表記されてまして、報じられている価格の1/3なんですヨ。恐らくこれは手付け金だと勝手に解釈しているのですが、どうなんでしょうかね。
自分的には、一生、走っている姿を見る事無いモーターサイクルである事は間違いないと思いますヨ。