前のエントリーで紹介した、MV AGUSTAがミラノショーで新型モデルを発表するという噂は、ガセだったようで、例年通りスペシャルバージョンの登場となりました。ここ2年ぐらいのスペシャルバージョンの傾向は、排気量拡大(微量)とパワーアップという性能追求が主になっているので、今回も例漏れず、その方向でスペシャルバージョンを進化させてきました。ただ、いつもだと｢F4｣シリーズが先に変更され、後から｢Brutale｣シリーズが変更されるのですが、今回は、両方とも同時にスペシャルバージョンをパワーアップ。｢F4｣シリーズの方が｢F4 312 RR｣。｢Brutale｣シリーズの方が｢Brutale 1078RR｣の登場となりました。

という訳なので、デザインは、見慣れた｢F4｣と、｢Brutale｣ですね。目立って新しく変わったのはカラーリングぐらいです。微妙にバランスとか変わってたりするんでしょうけど、パッと見分かりません。

｢Motor Box｣の記事1・記事2と、｢MCN｣の記事によると、｢F4 312 RR｣と、｢Brutale 1078RR｣は、搭載される水冷並列4気筒エンジンの排気量が996ccだった｢F4 312 R｣から、ほぼ100ccの排気量アップが施され1078ccとなっています。ピークパワーは｢F4 312 RR｣が190hp、｢Brutale 1078RR｣が154hpという数値を叩き出し、｢F4 312 RR｣が8,200回転で124Nmの最大トルクを発生させています。両者とも欧州の排ガス規制ユーロ3に対応しており、その上でこのパワーですからスゴイですヨ。しかし、｢F4 312 RR｣の124Nmというトルクは、あまり強大な為に、EBSというシステムを介在させて、10,000回転で115Nmという、若干マイルドな出力特製に変更できるようです。トランスミッションにもなんか細工がしてあるみたいなんですが、訳文が良く解らなかったので解りませんでした。

後、排気量を1078ccとしてしまった為の弊害がありまして、｢F4 312 RR｣はレースの出場資格が無くなってしまったんですヨ。そこでMV AGUSTAは、レギュレーションに適合している996ccの｢F4 312 R｣を存続させるようです。

足回りでは、やっとbremboのモノブロックキャリパーが採用されたそうです。とりあえず、止まらないかもといった不安は払拭?できていると思いますヨ。

価格は、正式には発表されていないようなのですが、流石に100,000ユーロ(日本円で約165,700,000円)の｢F4CC｣まで高くなることはないでしょう。｢F4 312 R｣よりは高い値段になると思うので、350万〜500万円ぐらいじゃないかと予想してみます。｢Brutale 1078RR｣の方は、カウル分だけ｢F4 312 RR｣より若干安めといった感じじゃないでしょうか。

今回、｢Brutale 1078RR｣だけはなく、｢Brutale 910S/R｣も変更が加えられていて、排気量がアップし、989ccとなるようです。ピークパワーは141hpとなりノーマルとしては十二分なパワーを発生させています。また、パワーアップに対応する為、フロントサスペンションの直径が50mmに拡大されているようです。

MV AGUSTAとしては、｢F4｣系のシャーシ性能に絶対的な自信を持っているみたいですが、ちょっと飽き気味な自分がいますヨ。ユーザーとしてはデザインに変化が無いという事で、古めのモデルでも気にしないで乗れるというメリットがありますが、流石に、そろそろ新製品のワクワク感を味わいたいところです。来年辺り、今回噂されていた新型モデルが登場って事になると良いんですが...。イタリアメーカーの場合、期待は裏切られる事が多いのが問題ですけどね。