Naga Blog

Political and Economy

政府が著作権法の非親告罪化を検討中っていう事について思うこと。

仕事柄著作権が絡んだ画像とかを扱う機会が多いので、著作権に抵触しないよう、ある程度の知識は身につけて毎日仕事に励んでいる訳なんですが、その著作権がらみで「たけくまメモ」さんの「【著作権】とんでもない法案が審議されている」エントリーによると、政府で「著作権法の非親告罪化」を前提に著作権法の改正が進んでいるそうなんです。現行の著作権法では著作権侵害罪は親告罪とされていて、著作権を侵害されたと思う側が民事裁判に提訴するか刑事告訴をしない限り、裁判を起こすことも、警察が被疑者を逮捕することもできないんです。それを非親告罪化するという事は、警察が独自の判断で著作権侵害とみなした被疑者を逮捕できると言う訳なんですヨ。

コレが施行されるとなると、著作権者が著作権を侵害されたと思う思わないに関わらず、著作権侵害罪は警察の胸三寸で決められるという事になります。

具体的にどうなるかというと、非親告罪化で警察の胸三寸によるわいせつ物判定が問題となっている「わいせつ物陳列罪」を思い出してみれば良いと思います。この法律は、「わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」としか書かれていませんから、警察がコレはわいせつだと思ったモノは全て摘発の対象となります。こんな曖昧なザル法ですから、これは明らかにわいせつだろうというモノが摘発されなかったり、これはわいせつじゃないだろうというモノが摘発されたりとか、時期によって基準がバラバラといったように、法の適用に矛盾を生じさせていますヨ。明らかに冤罪も多いです。まさに胸三寸といって差し支えないですヨね。

非親告罪化されることによって、正にこの「わいせつ物陳列罪」と同じレベルに「著作権法」もなってしまう訳なんですね。広い意味で公権力による検閲の対象にされてしまうわけです。

創作物を作っている人なら分かると思うのですが、どこからも影響を受けていない100%のオリジナルの作品を作るというは、正直かなり難しいというか、不可能に近いです。ちょっと専門的になるのですが、広告のデザインをする時、デザイン骨格になる部分に現在のトレンドになっているデザイン手法を取り入れたり、表現の方法を真似たりして、現代的な雰囲気を作り出す事が多々あるのですが、そういう所まで警察に著作権侵害罪と判定され逮捕されないかと怯えながら仕事をこなすというのは、正直辛いですヨ。なんか、序列制度の強いプロの業界の中には、足引っ張るために密告する奴とか出て来るんじゃないかと思いますし…。犯罪者になってしまうリスクを背負った創作活動なんて、それは文化の衰退を招く以外何者でもないですヨ。第一、そんなの楽しくないです。

ちょっと考えただけでもコレですんで、エントリーにも書かれているように、商業的な出版・放送・上演・演奏だけでなく、アマチュアレベルの二次創作・パロディなどの同人誌等々にも、深刻なダメージが加わる可能性があるというのは同感です。

確かに、かなり猥褻な表現で素の著作物を辱めていたりするモノや、公然と素の著作物からパクっているモノもあり、これらは何らかの規制の対象にしなければいけないとは思いますが、十把一絡げに規制の対象にしてしまうのは問題があるでしょう。政府には、非親告罪化を諦めてもらうか、厳密なガイドラインを決めた別の方法を考えていただきたいモノです。

というわけで、自分も著作権侵害の非親告罪化には断固反対です。

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このページは、naganagaが2007年5月24日 23:37に書いたブログ記事です。

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