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「嫌中論」を読んで台湾人から見た中国人を知り、日本人ファンタジー中国人観は偽物と知りました。
本屋で黒地に金縁白文字で「嫌中論」と、ドーンと書かれた表紙を見て思わず手に取ってしまい、サブタイトルの「世界中から嫌われる中国」というのと、帯に書かれた「できることなら絶交したい迷惑大国」というコピーに心を鷲掴みにされしまい買ってしまったのが徳間書店刊「嫌中論」です。タイトルが「嫌中論」という事で、本書は中共政府をテーマにしているのかなと思うのですが、中共を構成する人達である中国人(中共は50もの民族がいる国で、ここで指すのはいわゆる漢族と呼ばれる民族)をテーマに、歴史、文化、政治等々の各方面から研究した本になっています。
本書で自分が一番興味深かったのは、台湾人が書いた中国人評だという事です。どうしても日本人の中国人観は、戦後1972年の日中国交正常化まで交流が無かった事と、その後の中共や国内の反日マスゴミによって作られたファンタジー(中国の古い思想家とか、三国志とか)な中国人観に支配されているのでイマイチ信用できない部分が多いし、中国人自身の中国人観は、灯台もと暗しで足下が見えてない事が多く自画自賛傾向が強いので、こちらもイマイチ信用できない部分が多いんですヨ。
著者の黄文雄(コウ・ブンユウ)氏は台湾出身の方で、戦後中共に破れ台湾に逃げ延びてきた国民党の支配を受け始めた頃の台湾(日本では台湾を、中共の主張を鵜呑みにして、中国の一部だと誤解している人が多いですが、歴史的にみても台湾は、中国の各時代の王朝に支配された事が無く、台湾人=中国人という図式は間違っています。)を知る人物です。支配された側ということで、中国人の陽の部分、陰の部分両方を良く知る人が書かれたので、それらとは離れたよりリアルな中国人観を知る事ができました。
中国人とはどういう人達なのか、本書の第9章「だから中国人はどこでも嫌われる」で著者がまとめているので引用します。
- ご都合主義の友好を押しつけるから嫌われる
- 傲慢不遜ゆえに嫌われる
- 良心のない民族だから嫌われる
- 人を人と思わないから嫌われる
- 約束も契約も守らないから嫌われる
- 『強詞奪理(チャンスウトウリイ:問答無用)』の民族だから嫌われる
- 過っても絶対に謝らないから嫌われる
- 世界中で凶悪犯罪を起こすから嫌われる
- 国際常識が通用しないから嫌われる
- すぐ人の弱みにつけこむから嫌われる
- すぐ他人を恫喝するから嫌われる
ナカナカ素晴らしいです。どこの国にもこういう人はいると思うのですが、飛び抜けて多いのが中国人という事で解釈してます。実際、中共が国際舞台で展開する外交を照らし合わせて考えてみると、合点のいくモノばかり、中共政府で重責を担っている人達も基本的にこういう国民性がベースになって行動しているので、中共政府が得する事はもちろんですが、一番は自分が得する事が前提なので、後先考えずその場限りの得を狙って国内はもちろん、他の国であっても中共国内向けのパフォーマンスを繰り返すわけですね。「なんで、こんな子供じみた事を平然とするんだ?」といった、今まで日本人の中国人観では納得できなかった報道が、多少なりとも納得できるようになったのは収穫でした。
考えても見れば、古代中国の思想家が書いた書物に書かれている有り難い人生訓の内容って、それが出来る人達ならば、何も文章化して説いて廻る必要はないわけで、まるで正反対の人達だから、文章化する必要があったということなんでしょう。また、中国の歴史上、平和理に無血で政権交代(敗北した前王朝は基本的に皆殺し)が起こった事が無いという事を考えると、暴利謀略人間不信が醸成されそれが当たり前になっているとしても何ら不思議じゃないなと思いましたヨ。
昨今、日本企業の中共への進出や、中国人労働者の受け入れが多くなり、台湾人程ではないにしろ、日本人もこれまでよりも多く中国人と接する機会が増えるでしょう。自分の地元でも、中国人の姿を見ない日は無いというぐらいですからね。政府がこれ以上中国人が増えるという事を望まないようにならない限り、年が経つにつれて私生活の中で日本人と接するように中国人と頻繁に接触するようになるでしょう。本書に書かれている内容を、これまでよりさらに多くの日本人が、否が応でも体験する事になるのかと思うと、ちょっと欝が入りそうです。
こんな中共ですから、自分が悪かった的な自浄作用なんてあるわけ無いので、建設的な事を書いて文章を締めくくれません。結局、毅然とした態度で抗議していくしか、日本は中共と渡り合っていく術がなさそうですね。早いとこ、日本人のファンタジー中国人観は偽物である事を認めて、外交を立て直さないと何なら何まで中共に略奪されてたって事になるかもしれませんヨ。「できることなら絶交したい迷惑大国」って帯に書いたコピーライターの気持ちが分かりますヨ。