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アニメ的な演出が光る「パプルへGO!! タイムマシンはドラム式」は単なるノスタルジー映画ではないかも。

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

この「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」の公開直前にフジテレビ系の放送局で、バンバン流されていたテレビCMに引っかかった訳ではなくて、劇場で観た予告編の段階で既に面白そうだったので、観に行ってみましたヨ。1週遅れだったけど...。いわゆるタイムトラベルものに属するこの作品なんですが、ハードな展開は一切無しのコメディー作品で作風は至って軽いノリです。和製「Back to The Future」って感じでしょうか。ただし、遡る時間は17年前のバブル絶頂期という近い過去なんで、30歳代以下には珍しく、30歳代以上にはちょっとだけ懐かしい気分になれるという、絶妙なのかそうではないのか微妙な時代設定になってます。

しかし、この設定が若い人にはピンと来なかったのか、自分が観に行った時には、自分も含めて、観客が3組とナカナカの人気薄。失敗したかなと思いつつ席に着いたら後の祭りなので、まぁ2時間楽しもうと決意しましたヨ。

映画は、最初葬式のシーンからという暗い所から始まるのですが、お湿りはここだけ、後は、広末涼子演ずる田中真弓が、1990年のバブル絶頂期に向けて旅立つまで、徐々にテンションが上がってきます。何故に彼女がバブル崩壊を食い止め日本を救う事になったのか、世相を反映したナカナカくだらない理由で楽しいですヨ。

この映画はやはりバブルという時代がテーマになっているので、2007年が舞台の前振りはサラッと終わり、1990年の日本へ舞台が移ってからそのテンションは最高潮に達します。建築物とかのデザインっていうのは、17年ぐらいだと、そうそう大きな変化っていうのはないので、東京という都市の雰囲気は変わらないのですが、その中で展開されているファッションや風俗といった生活に結びついた部分は、たかだか17年前とはいえ、現代日本とのあまりにも違う光景に驚くことでしょう。今とは違い、その原色ハデハデな世界に、日本国民全員ナンの疑問も感じる事なく暮らしていたのですヨ。

なんか、バブル時代への拘りは凄くて、セットやCGで当時あった建物や店舗、イルミネーションまで再現してあるらしいのですが、東京在住じゃないので、イマイチ現代との違いが分からないというのが、面白さを半分削いでいるようで非常に残念です。しかし、当時の女性達に流行った極太眉毛の濃い化粧と、ロングのソバージュに鶏冠ヘア、ピチピチのボディコンファッションは、思いっきり分かりましたので楽しかったですヨ。そんな格好でディスコのお立ち台に立って扇子を振り回して踊ったなんて、今では想像も付かないでしょう。今見るとスゴイ恥ずかしい格好なんだろうけど、当時はこれっぽっちも恥ずかしいと思わなかったんですよね。不思議としか言いようがないです。

しかも、至る所で万札が乱れ飛び、高級な住まい、高級な食事と、日本人が一気に高級志向に目覚めた時代でしたね。軽薄短小という言葉が表すように男も女も軽い人間が良いとされ、阿部寛演ずる下川路功のような人がおモテになっいた訳ですヨ。お陰様で、それがバブルの後遺症となり、30歳代が結婚しないという悪循環に陥っているわけです。

映画は、そういう現代とバブル時代のギャップの懐かしさと面白さを観せながら、主人公の生い立ちから、親子の関係をとりあえず描きつつ、大蔵省(当時)幹部の陰謀を暴いてバブル崩壊を阻止し現代へ帰る訳ですが、普通、この手の映画では過去をいじくっても結局は元の鞘に戻るという展開なんですが、この映画それはやらず、本当に現代が変わってしまうと展開になっています。

結局、バブル時代が生み出した負の遺産には、全く手を付けず娯楽作品として、頭から破天荒な展開だったので、ここまで破天荒な展開を徹底されたら文句はないですヨ。なんだか最後は爽やかな気分でエンドロールを観てました。

ただね、この「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」観終わった後、全編を思い返す何とも変な感覚なんですヨ。実写の映画を観たって感じがしないんです。内容を思い返しながら思ったのですが、この映画は、ある意味アニメ作品なんじゃないかと言うことですね。登場人物の行動や物語の展開が、独特な破天荒さ構成されていて、それが一連のアニメのコメディー作品に近い演出なんです。馬場康夫監督はアニメ畑の演出家ではないので、よくここまで踏み切れたモノだと関心してしまいましたヨ。実写の監督さんにも、こういう演出出来る人がいたのですね。

アニメやマンガ作品を実写映画する時って、破天荒な部分を抑え気味にして、実写でのリアル感を出すというのは、色んな映画でよくやってますけど、逆にこの映画では、アニメ的な破天荒な展開を、臆することもなく巨費を投じて実写映画にしたという、それはある意味スゴイですヨ。こういう演出スタイルが流行ってくれると、邦画ももっと面白くなるのにと本気で思いましたね。

個人的には、やっぱり、こういうバカ企画は本気でやってナンボなんだなぁと改めて思いましたヨ。そんなこんなで「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」色んな意味で楽しませてもらいました。機会があったら繰り返しみたい作品ですね。

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このページは、naganagaが2007年3月 7日 23:44に書いたブログ記事です。

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