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第二のデジタル・デバイドが出現した背景を自分なりに考えてみました。

低迷状態だった個人向けPC市場も、Microsoftの「Windows Vista」投入で活性化されると思いきや、思ったほど売り上げが伸びていないとか、昨年11月に発売されたSCEの高スペックゲーム機「PlayStation3」の売れ行きが思わしくないとか、ナンかマニアな層を背景とした情報機器の売れ行きが鈍くなっているというニュースが多いですね。逆に、若干低スペックながら斬新な入力デバイスを装備した任天堂の「Wii」が売れていたり、同社の携帯ゲーム機「Nintendo DS」が今だ品薄というニュースなどは、情報機器市場がライトな方に動いているというのを示していると思うのですが、自分的になんか釈然としないモノがあるわけですヨ。それは、今の20歳代から下の世代って、高スペックを謳うデジタル機器自体に興味がないのではないのかということです。実際、身近にもPCに興味が無く知識も乏しい20歳代しかいなくて、なんか不気味なんですヨ。

ネットゲリラは潜水艦戦である。潜水艦に前線はない。自分に有利な時と場所で戦闘を開始する。」さんの「インターネットは老人と子供のポルカ」エントリーで紹介されていた「FACTA online」さんの「パソコン見放す20代「下流」携帯族」という記事を読んで、ナンか納得しましたね。

ネット利用動向の調査サービス会社ネットレイティングスが昨年11月に公表した「データクロニクル2006・ファクトシート」によると、20歳代のネット使用率のみが劇的に低下しているそうなんです。なんと50歳代と同じレベルまで低下しちゃってて、第二のデジタル・デバイドが出現とまで書かれています。しかし、19歳以下の世代のネット使用率は下がっていない事から、ナンか別の要因があるみたいです。

それは、何故か。記事によると、PCと遜色ないレベルにまで進化してきたインターネット利用を安価な携帯電話の普及にあるようなんですヨ。ブラウザー高機能化、画面の高解像度化で、サイトを閲覧、E-メールを受け渡しをするという行為だけを取ってみれば、同じ事が携帯電話だけで出来るようになってきたというのが大きいみたいですね。凄い事に、テンキーで文字は打てるけど、キーボードで文字が打てないという人も存在するそうですヨ。全て携帯電話で出来るので、十数万円も金をかけてPCを買う時間もなければ置く場所もない。なので、月額数千円もするブロードバンド(高速大容量)回線を引く必要性すら感じないんだそうです。

記事では、経済的な格差が広がった事に、この20歳代の情報機器離れを起こし第二のデジタル・デバイドを生み出したという結論を見いだしていますが、自分的には、もう一つ要因があるように思います。それは、今の20歳代って携帯ゲーム機世代だって事です。いつでもどこでもゲームが出来る環境を手に入れた最初の世代なわけですから、情報機器を触る時、腰を据えてやろうという感覚が、そもそも希薄なんじゃないかと思うのですヨ。さらに、幼い時から、小さい画面でチマチマやる事に慣れているので、そっちの方がしっくり来て自然だって事ですね。

携帯ゲーム機で遊べるゲームは、携帯するという事を考慮して、操作も簡単に作られていますから、複雑な操作を色々と憶える必要もなく、簡単手軽に遊べます。なので、複雑な操作やスキルを要求するPCや、高スペックのゲーム機だと、使うキーや機能が多すぎる訳です。少ないキーじゃないとメールも打てないというのも分かるような気がしますヨ。

簡単にできるのであれば、そっちを使わない手はないですからね。

だから、任天堂の「Wii」なり「Nuntendo DS」が売れているんだろうなと思いましたね。いつでも、どこでも、お手軽に、操作は簡単っていうキーワードで全てが繋がるように思えます。これを進化と呼ぶのか、退化と呼ぶのか、難しいところですが、携帯ゲーム機の進化系ともいえる携帯電話の中で全て済ませてしまい、サービスを使うだけのユーザーになってしまっているという事からすると、明らかに退化といえるでしょう。既に携帯電話さえあれば、何もいらないっていう思考停止状態に陥っているようにも感じますし…。ってか、携帯電話が無いと死んでしまうと本気で思っている方が問題だと思うゾ。

コレが、20歳代を、欲求が剥き出しになっていて我慢の必要が出来ない幼児のように感じてしまう一つの要因なのかもしれません。記事では、このままではネットも使えない世代が育ってしまうのではないかと危惧してますね。彼らとしては、使う必要が無いから使っていないだけで、使わなくちゃいけなくなったら使ういう考え方なんでしょう。プライベートレベルでも一歩踏み込んだ使い方をしようと思った時、何をやっていいのか分からないというは自分自身にとっても損だと思うのですが、それを合理的だと思っているのでしょうか。対岸の火事の様に他人事として考えると、一足先にユビキタス社会を実践している世代なのかなと発想を変えれば、あまり問題ではないようにも感じます。

個人的に、PCの恩恵にドップリと与ってきた人間として、仕事でPCを使わないといけない立場の人間は、多少なりとも興味を持って、自らすすんで技術を憶えるようじゃないと使い物にはなりませんけどね。仕事で潰しが効くかという部分では、第二のデジタル・デバイドままで良いとは思いません。

何にでも興味を持って無駄をやらないと、人間として厚みが出ないと思いますヨ。

しかし、こういう顧客相手にモノを売っていかなければならないとなると、さらに商売はかなり難しくなっちゃいましたね。さらに消費の動向を読みにくくなったと思いますヨ。タイヘンだ。

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このページは、naganagaが2007年3月 1日 23:51に書いたブログ記事です。

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