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あの世について考察した前半だけ素晴らしい「前世と生まれ変わりの超真相」。

前世と生まれ変わりの超真相

何時だったか小中学生を対象にしたアンケートで、6割の子供達が「死んだら生まれ変わる」と思っているという結果が出たというニュースを知って、輪廻転生という仏教の死生観が普及していると思い、今の子供達は勉強家だなと思ったのです。けど、後に詳細を知るとそうではなく、ただ「生まれ変わる」という部分だけをつまみ食いして、自分達の都合の良いように解釈しているみたいなんですヨ。それが原因なのかは分かりませんが、最近多発している若年層の自殺事件は、いじめの苦しさから転生を願って簡単に自殺に及んでいるように感じるんです。

うっすらとは、輪廻転生という思想については分かっているつもりだったのですが、きちんと、それについて書かれた本を読んでみようと思い、書店で探していると「前世と生まれ変わりの超真相 この世は特殊な霊界である」という題名に目を引かれました。ペラペラと捲ってみて、「あの世」に関することを書いている本の様ですし、特定の宗教に偏らず客観的な視点で書かれてると思ったので、買ってみることにしました。しかし、そこは徳間書店の超知ライブラリー、かなりのオカルト風味が強い事は覚悟した上で読み進める事を忘れてはいけません。

新旧取り混ぜて、様々な宗教書、研究からあの世を考察しているのですが、第1章から第4章までは、素晴らしい。あの世(霊界)は、全部で6層に分かれていて、自分達のいる世界はちょうど天界と地獄のちょうど中間に位置しているんだそうです。なので両方から干渉を受けている為、この世は、善と悪がせめぎ合っている世の中になっているみたいです。著者はこの世界は、監獄のようなもので、罪を償ったり、魂の成長をどける為に修行目的で送り込まれている世界だとしています。基本的に監獄なので江戸時代の牢名主の如く、悪心の強い欲の深い者が、権力を持たされる世界でもあるようです。なるほど、辛いことを経験するのが目的の修行だから、人生は辛いですねと妙に納得してしまいましたヨ。

本書によると、輪廻転生するというのは、社会に出ても再犯を犯して再度収監される囚人と同じで、霊界に居続ける事は不適当とされた時に、この世に転生してくるのだそうです。修行が足りんというわけですな。人には寿命という刑期があって、それが尽きた時その刑期が満了したという事になるんだそうです。刑期と言うことは誰か(この場合神)が強制的に課している事なので、自分で勝手に縮める事は許されないという事になりますよね。自殺した場合、即転生となるのですが、ペナルティとして前世よりも過酷な人生を送る事になるようですヨ。ちなみに事故死の場合も即転生らしいのですが、自分で刑期を短縮した訳ではないのでペナルティ無しなんだそうです。

なんか、人生を謙虚に生きようと思いましたヨ。

ただ、良かったのはここまで、第5章からはオカルト風味がドンドン濃くなっていきます。この著者コンノケンイチと言えば、独自に編み出した特殊物理理論という訳で、お得意の量子物理学の話しなり自己満足の世界に突入です。前半で、あの世はこの世の科学では解明できない世界だと言いながら、なぜかドンドン強引に解明していきます。正直、屁理屈なのか理屈なのか訳の分からない説明だらけで食傷気味でしたヨ。

まぁ、それでも、あの世とこの世は重なっている世界とか、あの世での戦争が、今この世で戦争が頻発している原因なんだというくだりは、読んで良かったかなという感じです。正直、後半でタメになったのはコレだけなんですけどね。

最後に、予言について書かれた時には、流石に閉口。「前世と生まれ変わりの超真相」っていう題名から思いっきり外れてますヨ。さらに、その予言の内容も滅亡という言葉が乱舞する荒唐無稽なモノでリアル感ゼロ。オカルト作家のファンタジーな世界にまで突入しちゃって帰ってきませんでした。どうせ、もうすぐみんな死ぬんだって結論はどうかと思いますね。付け足し気味に1/3生き残るってフォロー入れて書かれても、前半は生きてこないですヨ。

正直言って、前半は自殺を考えている人に是非読んで欲しい内容だと思っていたのですが、後半の酷さに、その考えはきれいさっぱり消えてしまいした。もの凄く残念な本でしたね。この手のオカルティーな内容の本に慣れてない人は読まない方が賢明だという結論に到るのは非常に残念です。

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前世と生まれ変わりの超真相 ...この世は特殊な霊界である...
コンノケンイチ
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おすすめ平均 star
star2013年:地球の大掃除
star興味のある人にはまあ・・・
star興味のある人にはまあ・・・

by G-Tools , 2007/01/31

コメント [1]

そもそも、何故「試練を乗り越えなければならないのか」が疑問ですね。それから人生が刑であるなら罪状の記憶を消去するのは不自然に思えます。罪状の記憶がない以上反省のしようがないわけですからね。
魂の成長を強要することもまた不自然ですね。魂の成長をさせるかさせないかに関しては持ち主である自身に決定権があると考えるのが妥当かと思われますが・・・
ああ、そりゃ何とでも反論できるでしょうね。科学的に証明できない世界のことですから、「私には見えるんだ、わかるんだ、真実なんだ」後だしじゃんけんでどうとでもなりそうです。
ちなみに死後の世界の「真実」とやらは自殺の抑止力にはなりませんよ。だって生きてったて同じく苦しいわけで、そして死後の世界が証明できない以上、自殺の当事者からすれば確率は二分の一、(死後の世界が存在するか否か)次に死後の世界が、上記のとおりのような構造になっているのかどうか、これが未知数であることを考えると、自殺は十分に実行する価値がありそうです。

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このページは、naganagaが2007年1月31日 22:56に書いたブログ記事です。

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