毎年恒例の｢Macworld Conference & Expo/San Francisco 2007｣が始まりましたネ。昨年は、Intelプロセッサ登載のMacが発表がされて大盛り上がりだったのですが、今年はスピードアップされたモデルの発表と次期｢MacOS X｣のプレビューかなと思っていたら、見事に予想を裏切られましたヨ、2年ほど前から噂になっていたApple製の携帯電話が｢iPhone｣という名称を付けられて発表されました。数日前から、携帯電話が発表されるようだという噂が流れていて、実はそれは偽情報で、本当は新型｢iPod｣でしたってオチかと思っていたら、素直に携帯電話を出してきたので2倍のオドロキですヨ。

Appleが作る携帯電話ですからね、普通のモノは作らないだろうと思っていたら案の定、新しい提案満載で今までの携帯電話を過去のモノにしてしまうぐらいの斬新でした。携帯電話に音楽プレーヤーとインターネット閲覧機能を融合した携帯電話って書くと、他メーカーと似ているのかと感じてしまうのですが、OSに、｢MacOS X｣を携帯端末用に新たに設計し直された｢OS X｣を搭載することで、Macと同様に直感的に操作できるように工夫されたUIを搭載しています。また、｢OS X｣は、ベースとなった｢MacOS X｣同様にマルチタスクなので、音楽を聴きながらメールやチャットをやったりする事ができるみたいですヨ。

操作は全て、タッチパネルで、画面を指先で触れて操作します。良く無くしてしまうスタイラスペンを使わない所がナカナカにくいです。さらに、マルチタッチという技術を使って、キーボードの操作も画面上で行う様になっています。

面白いのは、センサーで｢iPhone｣に人の顔が近付いたことを検知して、自動的に再生中の音楽を止めて電話に切り替えるといった事や、傾きをセンサーで感知して、画面の縦横を切り替えてくれるといった、芸の細かい事をやっています。こういうのが使い易さにつながるというAppleらしい拘りですね。

通信機能は、日本国内では使用できないのですが、GSM及びEDGE方式を採用。とりあえず、米国のみの展開と言う事で、残念な事に日本の方式に対応するは2008年からということになりました。その他に、IEEE802.11b/gとBluetooth 2.0を採用し、PCのネットワークに参加できる機能を持っています。

それと、本家｢iPod｣よりも使い易いのではないかと思われる音楽プレイヤーとしても利用できるのはもちろん、Webブラウザには｢Safari｣、ブラウザーとは別に｢Google Maps｣がアプリ化されていて、地図検索をしてポイントした地図上から電話がかけられる機能を持っています。他に、携帯メールだけではなく、POP3やIMAP、HTMLメールにも対応したメーラー(｢Mail｣?)などがアプリケーションとして使えるようになっていて、外形寸法115×61×11.6mm、重量135gの超小型のMacと呼んでも過言じゃないと思いますヨ。ただし、アプリソフトや、widgetの追加はできないらしいので、カスタマイズは無理みたいです。まぁ、それでも十分な機能は提供されているように見えると個人的には感じますけどね。

後一つ残念なのは、200万画素デジタルカメラを搭載しているにもかかわらず、｢iSight｣のような使い方ができないことですね。ビデオチャットまで組み込むと携帯電話の意味が無くなるからでしょうか?

Appleのアメリカサイトでは、既にページが公開されているのですが、｢iPhone｣を操作しているデモムービーを見ていると、ドンドン欲しくなっちゃいますね。すごい便利そう。個人的には我らがiCEOスティーブ・ジョブズは、自らが葬った｢Newton｣を、約束通り時代に合わせて進化させた形で復活させた訳ですヨ。正直、携帯電話機能を外して新型｢iPod｣として売ってくれないかと思うほどです。っていうか、｢iPod｣も｢OS X｣を採用して｢iPhone｣と似たようなUIと機能を搭載する方向に向かうというのは既定路線になっているのではないかと思っています。後は、どのくらい｢iPhone｣から機能が削られるかだけかな。

ああ、とにかく早く触ってみたいけど、日本のキャリア各社の反応はイマイチ芳しくないみたい。自分所がハード設計に係わらないと気に入らないのかな?

次に、セットトップボックスの｢iTV｣改め、｢Apple TV｣です。ある程度の機能は半年前の発表で分かっているので、ついに発売かと言ったところですね。ちょっと画像を貯めておくには心許ない40GBのHD容量ですが、PCの方で貯めておいて入れ替えろって事なんだろうと解釈してます。個人的には同じような機能を持つSCEIの｢PlayStation3｣を持ってますが、｢iPod｣とかとの連携を考えると｢Apple TV｣の方が使い良さそうなので、こっちを買っちゃうかもしれないですナ。

ただし、国内では、色々と大人の事情で、映像コンテンツのデジタル配信が他の先進国に比べて整備が遅れている状況ですし、肝心の｢iTunes Store｣のラインナップも、映画の予告編とミュージックビデオだけじゃ、｢Apple TV｣は宝の持ち腐れ以外何者でもないでしょう。大人の事情に絡む部分がクリアされない限り、日本では売れないハードという位置付けになってしまうと思うと、ちょっと切ないですね。

最後は、新しい｢AirMac Extremeベースステーション｣。筐体も新しくなり、USB2.0を介して外付けのHDを付けることで、ネットワークストレージとして使うこともできるので便利そう。ただ、欲を言えばUSB2.0は遅いので、FireWire400/FireWire800のポートも付け欲しかったところです。有線LANポートも1つから3つに増えたので、ハブを噛まさなくても良くなったのがうれしいですね。個人的には、｢PlayStation3｣を買う前に出して欲しかった。後、サイズが｢Mac mini｣と同じなので重ねて使うと幸せかも...。

というわけで、新しいMacの発表が無かった訳ですが、3月に次期｢MacOS X｣の発売がアナウンスされているので、｢Mac mini｣あたりから順次発表されていくのではと思っております。新しくMacを買おうと思っている人は、もうしばらくの辛抱しなきゃいけない様です。