Book
零細企業の従業員諸君。「図解! 会社にお金が残らない本当の理由」を読んで会社の仕組みを知ろう。
何気なく本屋を徘徊してると、派手なオレンジ色の表紙が目にとまり、久しぶりに帯に書かれていた「合法的「裏金」作り方&残し方」というコピー誘われてしまったのが、今回購入したフォレスト出版刊「図解! 会社にお金が残らない本当の理由」です。企業会計の指南本で、どちらかというと経営者向けの内容です。一介の会社員には知っても仕方がない内容なのですが、本書は、小零細企業向けに書かれているので、自分が勤めている会社が、会計的にどのような仕組みで動いているのか知ってみたいという好奇心から読み始めた次第です。
この本によると、経営者が100%出資している会社っていうのは、特殊支配同族企業と呼ばれるんだそうですが、うちの会社は見事にそれで、会社の経営陣は全て経営者の親戚で固められています。ますます、本書の内容が身近に感じてきましたヨ。
読み進めていくと、何故零細企業は、こういう企業形態をとっているかというと、会社の利益にかかる税金はガッポリ国に持って行かれる為、会社の利益を一度、役員報酬という形で経営者に集中させ、会社の利益を空っぽにしてから役員報酬として個人の利益にすると払う税金が安くなるというのが理由だそうです。
そこから必要経費、借金の返済、税金、会社のプール金、経営陣の取り分が引かれて、社員の給料が分配されるようになっているみたいです。
実は、この役員報酬というのが曲者で、経営者が会社の金を自分の金と勘違いする温床になっているようなんですヨ。一度経営者の財布に入る事になるので、勘違いしちゃうんですね。どうも、ココが伸びる会社とそうでない会社との分かれ道みたいで、役員報酬は自分の金じゃないとして厳格に運用できるかどうかで決まるみたいです。
よく、社会保険は会社が半分持っていると言われますが、本書を読めば、全部自分達で払っているのがよく分かります。経営者から、よく半分払ってやっているんだから感謝しろみたいな言葉を頂くのですが、実は痛くも痒くもないのが本当のようですナ。経営陣が全て親戚で占められている場合、第三者の目が無いので、役員報酬の分配の仕方は不透明になりやすく、非合法な裏金を作り放題ってやつです。社員の給料が安いのに経営陣の生活が派手だったりする場合は、その可能性が高いって事になりますね。
本書の後半では、そういう経営から脱却して会社の利益としてどう運用していくか、分かり易く解説しているのですが、事は簡単ですが、実行するのはかなり難しいでしょう。人間、贅沢が身に付くとナカナカそれを落とすというのは出来ませんからね。
本書は、3年ほど前に出版されベストセラーになった「会社にお金が残らない本当の理由」を図解化して読みやすくしているので、数字に弱い人でも理解が出来るようになっているので、経営者のみならず、小零細企業に勤める会社員も、会社の経営陣がどういう経営をしているのか知るには良い本だと思いますヨ。と同時に、なぜ、会社は零細企業なのかという理由もよく分かると思うので、ちょっと落ち込む可能性もあるという事も書き添えておきます。
自分も、本書を読み終えて、少し落ち込みましたヨ。「千円札は拾うな」に続いて2回目です。
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