Motorcycle
Derbiは一つのシャーシを有効利用。別ジャンル「Senda Terra 125」と「Cross City 125」の2種類を用意。
小型モーターサイクルジャンルで意欲的なデザインのモデルを送り出すスペインのモーターサイクルメーカーDerbiの新作は、エンデューロモデル「Senda Terra 125」と、スクランブラーモデルの「Cross City 125」です。このモデルには、欧州のメーカー製にしては珍しく、125ccの4サイクルエンジンが搭載されています。主に小型モーターサイクルを生産している欧州のメーカーは、日本のメーカーとは違い、規模が小さいところが多いので、ナカナカ新しく環境に優しい4サイクルエンジンを短い期間に開発して搭載できないのと、パワフルさを求める市場の要望という事情があり、小型モーターサイクル用のエンジンは、まだまだ2サイクルエンジンが主流なのです。
デザインは、4ストロークエンジンを搭載するというのを意識しているのか、大排気量のエンデューロモデルをラインナップするBMWの「F650GS」を意識した様なデザインがされています。タンクから続くようにデザインされたフェンダーと、その上に配置されたビキニカウルの形状が余計にそう思わせてくれるのかもしれませんね。赤いタンクも印象的です。リアカウルは、薄い小型のタイプで、シートだけのように見える工夫がされてあり、ある意味オンロード的なアプローチがされています。パッと見のシルエットはよく似ているのですが、細部を見ると全く違うというのが、Derbiはナカナカやりますな。
「Senda Terra 125」には、もう1種類のバリエーションがあり、BMW的なエンデューロスタイルから一転、スクランブラースタイルになって「Cross City 125」があります。ビキニカウルは廃され、小ぶりのヘッドライトユニットだけになり、フェンダーはよく見る形に、タンクは滴型、大柄なリアカウルの採用、さらに、前後ホイールの大径化(前輪18インチ・後輪17インチ)までされていて、外装は全て変更されています。同社の「Mulhacèn 659」に似た雰囲気になっていますね。
同じ、シャーシとは思えない変化をさせていますヨ。
「Motor Box」の記事によると、「Senda Terra 125」と「Cross City 125」は、排気量は125ccで、4バルブ単気筒4サイクルとフォーマット同じなんですが、「Senda Terra 125」は水冷、「Cross City 125」は空冷となっていて、外装の仕様によってエンジンの性格を変えているようです。ともにピークパワーは15hpで、このクラスのエンジンとしては、標準的なパワーが出ています。それでもアンダーパワーで物足りない人向けに200ccバージョンも計画中のようです。
足まわりは、両モデルとも共通のようです。フロントは細い正立サスペンションが採用されていますが、これで、性能的には十分でしょう。プレーキは、仕様が違っていて、「Senda Terra 125」が2ポットキャリパーに少々小ぶりなディスクが組み合われていて、「Cross City 125」の4ポットキャリパーに、「Senda Terra 125」より大径なディスクとなっています。効きだけだと、「Cross City 125」の方がよく効くそうです。
一つのシャーシで別ジャンルのモデルを作り出すというのは、先日のBMWの「G650X」の同時3モデル発売がありましたが、Derbiもやってたのですね。エンジンまで変えてるというのはスゴイですヨ。Derbiは、今回のシャーシを使って他にも別ジャンルのモデルを連発して作るのか興味ありますね。