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かなり高額な価格の割に、デザインが微妙なbimotaの「Tesi 3D Concept」。

Tesi 3D Concept

bimotaの「Tesi 1D」。この名前は、革新的なフロントスイングアームとセンターハブステアの機構を、市販車としては初めて採用したモデルとして有名です。発表された当時の衝撃は今でも思い出される程ですヨ。しかし、当時でもかなり高いコストのモデルだった為、「Tesi 1D」生産終了後は、ナカナカ後継モデルが開発されず、同社が倒産した時には、「Tesi 1D」の記述は消えゆくのかと思われてたのですが、元メカニックのアスカニオ・ロドリゴ氏が創設したVyrusに引き継がれ、「984 C3-2V」として進化を続けていました。その後、bimotaは復活し、「984 C3-2V」が「Tesi 2D」として発売され、新たに開発された3代目の登場が待たれていました。そして満を持して「Tesi 3D」が、コンセプトモデルとして。この度お披露目されましたヨ。

しかし、個人的にこの「Tesi 3D Concept」の写真を見た時、思った第一印象は「細い」です。「Tesi」に共通するオメガ型のフレームの幅に合わせたスリムな外装デザインが、その印象を決定づけています。フルカウルをそのまま小さくしたような形がユニークなハーフカウルは、何か異様にヘッドライトだけが大きく感じてしまい収まりが悪いですね。タンクの張り出しとラインが繋がるようにデザインされてるので正面から見る分にはナカナカいけてると思うのですが、斜めから見るとサイドカウルの下かけてボリュームが無さ過ぎであまり格好良く見えません。どうも、かなりの角度美人の様ですな。

シートからリアカウルにかけても、細さを強調したデザインが施されていて、フロント同様に見る角度によって印象が変わります。リアカウル横にへばり付くように配されている三角断面のサイレンサーは、後端に行くに従って細くなるリアカウルの処理とも相まって、とても個性的だと思います。しかし、その長時間乗車を拒絶するようなシートとタンクの細さは、懐かしさえ憶えますね。お陰でシート高が800mmと高いのですが、足つき性は良さそうです。ただ、全体をトータルで見てみると、細さを強調しようとするあまりデザインバランスが悪くなっているんじゃないかって感じるんですよね。これだったら「Tesi 2D」同様にネイキッドモデルにした方が良いような気がするのは、自分だけでしょうか。まぁ、まだコンセプト段階のデザインだと思うので、これから格好良く変わっていく事に期待してますヨ。

Motor Box」の記事によると、「Tesi 3D Concept」は、Ducati製の空冷2バルブL型2気筒エンジンを搭載するようですが、排気量は1000ccのタイプで、最新の1100ccではないようです。記事中にDucatiの「1000 Ds」の車名表記があるので、スペック的に同じ仕様になっていると思われます。若干パワー的に古いのですが、乾燥重量が外装のカーボン化が効いて168kgと軽量な為、元気の良い加速感は味わえるのでないかと思っています。

最大のキモとも言える足まわりですが、前後スイングアームが、今までのアルミ材に変わって、トラス構造のパイプフレームになっています。剛性面で有利なのか難しいところですが、見た目はナカナカ良いですヨ。今までショックユニットは、フレームの左上に取り付けられていたのが、エンジン下に移動になっていて、それが車体の細さに繋がっているようです。ただ、ショックユニットが地面に近いので砂や埃で痛んでしまわないか心配です。シールはちゃんとしてると思うんですけどね。ハブステアの部分は、相変わらず複雑な構造で、タイヤ交換は大変そうです。

フロントブレーキは、320mm径のブレーキディスク2枚と、下に取り付けられたキャリバーで構成されます。キャリパーマウントがラジアルタイプのモノになったのですが、位置は従来通りなのが面白いですね。

さて、気になる人はごく僅かだと思われる「Tesi 3D Concept」の価格なんですが、29,000ユーロ(日本円で約4,390,000円)だそうです。「Tesi 2D」が5,229,000円で売られているので、100万円ほど安くなっているので、異次元のハンドリングを体験したい人にはチャンスかも(棒読み)。まあ、bimotaもナカナカ買い手が見つからないと思っているのか、限定で29台しか生産しないみたいです。高額な値付けもそうですが、微妙に変なデザインなので、すぐ売り切れるとは思えないです。個人的には、買えるだけの金銭的余裕があったとしても、このデザインに4百万円は払いたくないですね。

Tesi 1D
「Tesi 1D」
Tesi 2D
「Tesi 2D」

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このページは、naganagaが2006年11月22日 23:43に書いたブログ記事です。

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