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リアルな中国の危うさを「中国の本当の危なさを知らない日本人」で知りました。
最初このPHP研究所刊の「中国の本当の危なさを知らない日本人」を本屋で見かけた時、その強烈な題名と赤い表紙に誘われて思わず手に取ってしまったんですが、中国人民解放軍の軍事的脅威を研究した本だと思って本棚に返したんですヨ。自分としては珍しく出版社の術中にはまらなかった本なんですが、後日、何だか気になってもう一度手にとって目次を読んでみたんですヨ。最初よくある現代中国の現状をレポートした本だと思ったのですが、そこに並ぶ項目が、目新しいモノが多く、特に中国内部でのテロ事件に関する部分に興味が湧いたので、購入した次第なんですヨ。
著者は、資料だけではなく、実際に中国まで赴き、そこに住む中国人の生の声も含めて現地取材をし、傭兵として海外の内戦に多数従軍した経験を持つ著者ならではの豊富な軍事知識と情報で裏打ちされているので、紹介される事柄は、とてもリアルなんですヨ。
中国全土に急速に広がるエイズ感染とか、中国各地で頻発するバスの爆発事件が、今後起きるかもしれない大規模なテロの予行演習なのではないかとか、工場建設の為、農地を搾取的な方法で収容し、農民達の生活を困窮させている現状とか、強い中国経済を支える好景気は投機で成り立っているとか等々、全てにおいて自己中心的で、徹底した拝金主義、さらに賭博大好きという中国人像が浮かび上がってきます。正直、粉飾、情報操作、搾取と、あまりに凄過ぎる内容に、よくこれで国が保っているな思いましたヨ。徹底した隠蔽と弾圧の賜物なんだろうな思いましたね。
日本のマスゴミは、中国への投資熱を冷ましたくないのか、この様な事件、事実を報道しない(できない?)のは、なんか裏があるのかと思ってしまいすね。靖国問題や、歴史教科書問題で大騒ぎするマスゴミを思うと、既に中共に絡め取られて、彼らの思うように日本の世論を誘導させようとする装置に成り下がっているのかもしれませんね。(ネット社会の進化がそれを暴き始めているけど...。)
全ては、金儲けのために売国もするということかな?
著者は、この本の中で、中国がその成長を停止するのは、早ければ2008年の北京オリンピック、遅くとも2010年の上海万博終了後までではないかと予想していますが、それは概ね正しい予想ではないかと思いますね。実際、過去のオリンピックや万博開催国で、その国最初の開催となった場合、過剰なインフラ投資のツケが開催後、不景気となって跳ね返ってくるらしいですから。日本も大阪万博の後、成長が頭打ちになって不景気になりましたからね。中国も例外ではないと思いますヨ。
しかし、この本でも指摘しているように、日本の場合を遙かに超える巨額な不良債権が存在していますからね。これが崩壊となったら世界大恐慌の再来となるかもしれません。特に対中投資にご熱心な日本企業は共倒れといったところも多いんじゃないでしょうか。あんまり、中国中国って恋いこがれるのもいい加減しておかないと手痛いしっぺ返しが来るかもしれませんね。
ただ、気になるのは、中国の軍事的な行動で、経済破綻を覆い隠すため台湾侵攻をするのではないかと書かれてますが、国として一致団結が必要な台湾侵攻やるかというのは懐疑的ですね。自己中心的で拝金主義な国民性ですから、お互いに経済破綻の責任をなすりつけ合って保身に走った末、内戦を起こすんじゃないかと思っていますヨ。
ここ最近、中国脅威論が囁かれていますが、それを裏打ちするに十分な内容だと思います。しかも、それが軍事だけでなく、経済面をも含んだモノであるという事と、さらに、日本経済をまたもやどん底にたたき落とす時限爆弾であるという事が分かったのは大きい収穫でしたね。かつて、戦前の日本は中国の地に手を出したばかりに、戦争の渦へ飲み込まれていきましたが、現代の日本も同じように中国に肩入れするのは危険だと、多くの人にこの本を読んで感じて貰いたいと思いました。
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- 柘植 久慶
- PHP研究所 2005-10-27
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by G-Tools , 2006/08/19