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Motorcycle

待望の「Desmosedici RR」は、一般人お断りの市販レーサーと考えた方がしっくり来そうです。

Ducati Desmosedici RR

2004年にイタリアのモーターサイクルメーカーのDucatiが、MotoGPで走らせているレーサーの「Desmosedici RR」を市販すると発表した時は、世界中のモーターサイクルファン達にオドロキをもって迎えられたのですが、当初、2006年に発売という事で発表されたスケジュールは、昨年の発表イベントが中止になったと言うこともあって、白紙になったとの見方もあったのですが、ナンの前触れもなく突然生産型が発表になりました。発表されるとしても、今年後半に開催されるショーでだと思っていたので、こういう形で出てくるとは思いもしませんでした。まるでAppleの新製品発表のようです。

公開された写真を見てみると、この「Desmosedici RR」は、一発でただ者じゃないっていうのが解りますよね。だって、ライトやウインカーといった保安部品が付いている以外は、まんまレーサーの「Desmosedici GP6」と同じなんですもん。予想はしてましたが、実際に本気でやると思ってた人は少なかったんじゃないかと思いますヨ。市販車としてだとメンテとかで不便な箇所っていうのが絶対出てくるので多少は変えると思ったんですけどね。過去にまんまレーサーの「F1 Montjuich」を売ったメーカーだというのを忘れてました。唯一、ライト周りとバックミラーが市販車であるというのを主張しているのですが、この「916」似のライトがイイですね。個人的になんか、デカくて間の抜けた感じがしてたアッパーカウルのデザインが、このライトのお陰で凄く締まって見えますヨ。ただ、バックミラーに関しては、MV AGUSTAの「F4」みたいでちょっと残念。まぁ、それでも全体的には、「Desmosedici RR」のレーサー然としたデザインにマッチしていると思いますヨ。ちなみにカウルはすべてカーボン製なんだそうです。

エンジン関係は、「Motor Box」の記事によると、名前の由来となった90°L型4気筒ユニットが搭載されていて、排気量は998cc。コンロッドとバルブにはチタンが、シリンダヘッドにはマグネシウムが使われているようです。ピークパワーは、市販車最強の200hpを実現しているのですが、爆発間隔は、レーサーのような同爆ではなく等間隔のようです。確かにレースでもパワーが出過ぎて、プロのライダーでさえ制御に手こずったモノを、普通の人が乗る市販車には危なくて採用できませんよね。ということは、爆発タイミングを変えたコンロッドを製造できれば、レーサーと同じパワーを、公道で味わえる可能性もありそうですね。する奴は絶対現れそうだな。

さらに、エグゾーストパイプ終端に取り付けられたサイレンサーの出口が凄いところにあります。なんと、リアカウルの真上にポッカリと2つ穴が空いているんですね。風の力で排気ガスを効率良く外に吸い上げる方法で、F1とかで流行ってますが、コレを2輪の市販車に採用するとは思いませんでした。日本の車検に通るのか余計な心配してしまいますヨ。しかし、見まごうことなく雨の日は乗るなと言わんばかりですね。

Ducati Desmosedici RR

足まわりは、前後ともOhlins製のサスペンションが採用されいて、ほぼレーサーの「Desmosedici GP6」と同じデザインのものという豪華さ。これに、Marchesini製の17インチマグネシウムホイールが組み合わされ、明らかにカットスリックとか見えないブリヂストン製のタイヤが装着されています。これに装着されるブレーキシステムは、厚さが6mmもある、320mmのブレーキディスクと組み合わされるラジアルマウントされたキャリパーは、明らかにレーサーに装着されているモノと酷似したモノブロックタイプを採用しているようです。

ここまでやっちゃうと、恐らく、素のままで、2、3年前ぐらいのMoto GPレーサーの性能は実現していそうです。よくも売ろうと考えたなと関心してしまいますヨ。しかし、確かに性能は凄いですけど、コンディションを保つのもコストがかかりそうですね。普通のバイク屋がメンテするっていうのはかなりキビシイんじゃないかな。最低でもメーカー製の市販レーサーを、フルシーズンレースで運用できるぐらいの技術を持ったショップじゃないと難しいかもしれませんね。

で、「Desmosedici RR」の気になる価格なんですが、55,000ユーロ(約793万円)と、凄過ぎる値付けになっていますが、日本ではちょっと安い価格750万円で販売されるようです。この価格には新車保証3年間、スケジュールメインテナンス3年間、チームスポンサーデカールキット、バイクカバー、証明書、パドックスタンド(メインテナンススタンド)、レーシングエキゾーストキット+CPUが含まれているそうです。まぁ、イロイロとサービス品は付けてお得感を煽っていますが、これだけの価格ですからね。市販車として考えると欲しいと言える人は限られますね。まぁ、Ducatiの方も分かっているようで、予定されている製造台数は400台、1台1台職人さんが手作業で組み立てていくようです。どっちかというとこの「Desmosedici RR」は市販レーサーと考えた方がしっくり来そうですね。レーサーをメーカーからリースするって事は弱小チームの場合だと、莫大な金額を請求され型落ちのモデルでも、レースで走らせるとなるとかなり難しいのですが、それが市販車感覚で買えると考えれば、かなりの激安プライスになりますからね。欲しがるチームは多いんじゃないでしょうか。「999R」を買った人に購入の優先権がありますよっていうのも、そういうことなんだろうな多分。ローカルなスーパーバイクレースとかに出てきそうですね。

後は、金持ちの一般人が買って、サーキットの走行会とかで走らせる程度でしょう。日本の公道で、走る姿を見ることは殆ど無いんだろうな。きっと...。

コメント [2]

以前のGP市販レーサーよりも高価でするね(^^;
乗ってみたいけど、乗って楽しいかは・・(笑)

>カントクさん
きっと面白くないと思います。エンジンのフィーリングはともかく、車体の方は、公道で走るには固すぎると思うので怖いくらいだと思いますヨ。ブレーキも強力過ぎて、握りゴケ=廃車って事も…。個人所有の場合、800万円近い金払って重い苦労を買うようなモノだと思ってます。

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このページは、naganagaが2006年6月 5日 17:08に書いたブログ記事です。

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