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Buellは、市販レーサー「XB RR」も、やっぱり独特。

Buell XB RR

アメリカのモーターサイクルメーカーってどこか偏屈な所があって、レースが大好きなくせに、フルカウルを纏ったレーサー然としたイメージを持つモデルは作って売らないんですよね。例外として、スーパーバイクのホモロゲーションを取るために、ごく少量生産して、こっそりレーシングチームかコレクター売ったモデルはありましたが、広く一般に販売したということはありません。独特なデザインのスポーツモーターサイクルを作り続けるアメリカのBuellも例外ではなく、そのイメージとは裏腹にあまりフルカウルのレーサーイメージを持つモデルの製造には積極的ではなかった(初期のモデルを除いて)ですね。しかし、今回、珍しく市販レーサーとしてですが、この形モデルを少量ですが(やっぱり)発売するようです。

車名の「XB RR」のとおり、スポーツネイキッドの「XB」シリーズの派生モデルになります。背の高いOHVのエンジンに、縦に太いフレームという独特の形したシャーシに組み合わされるカウリングは、なんか丸っこくてカワイイっていう表現がピッタリですね。チョロQにも通じるイメージがあります。また、前から見ると、車体の幅が小さいわりにアッパーカウルが大きいので、走るキノコっていう感じですね。見る角度によって表情やイメージを変えるデザインは、斬新かも知れませんね。ただ、ストレートにカッコイイって言葉が口から出てくるデザインではないですけど。まぁ、アメリカの場合、デザイン好き嫌いより目立てるかが重要らしいです。

Motor Box」の記事によると、エンジンのベースになるのは、「XB12R」に搭載されている空冷V型2気筒OHVで、排気量を1,202ccから1,384ccまで拡大、圧縮比も5:1へと増加しています。それに伴う熱量増加に対応し冷却効率を上げるために、オイルの容量を5リッターに増加させています。コレによりピークパワーは6,500回転で150hp、トルクも8.000回転で135Nmと大幅にアップしています。OHVの空冷エンジンでここまでパワーを絞り出しているのも凄いんですが、ピークパワーより最大トルク発生の回転数が高いというのは驚異的ですヨ。パワーは頭打ちなのにトルクがモリモリって一体どんな味なんだろう。8,000回転で150hp、トルクも6,500回転で135Nmと大幅にアップしています。OHVの空冷エンジンでここまでパワーを絞り出しているので凄いの一言ですヨ。ただし、レーシングエンジンなのでしょっちゅうメンテが必要なんでしょうけどね。で、このパワーを路面にロスなく伝えるため、ベルトドライブからチェーンドライブに変更しています。

この「XB RR」のホイールベースは1.316mm(短!)から1.367mmの間で調整が可能で、市販モデルと同様、21°と立ったキャスター角と相まって、かなり過敏なハンドリングから、比較的緩やかなハンドリングまで、変幻自在と言うわけですね。イロイロなタイプのサーキットに対応しなければいけないレーサーらしい装備といえるでしょう。

ブレーキも変わっていて、375mmと大型化され、リム側に固定されたブレーキディスクに組み合わされるキャリパーは、対向に8つのピストンが配置されたタイプになっています。幅広いです。コレっていったいどういう効き方するんでしょう。ブレーキ関係のパーツの取り付け位置が普通とは全く違うので、全く予想が付きませんね。ガッツンなのかな。

で、ここまでイロイロとやってるにも関わらず、乾燥重量は164kgと軽く仕上がっております。空冷エンジンならでは軽さですね。

ということで、気になるお値段(気にならないって)ですが、30,995ドル(約364万円)と市販レーサーとしては意外とお安いです。生産台数は50台ということも加味しても安いですね。実際、国内レースに使おうという目立とう精神旺盛なチームが現れてくれれば、どこかのサーキットのイベントレースで見られる事があるかも知れませんね。個人的には、鈴鹿8時間耐久ロードレースで、どこまでいけるか興味があったりするので、今年辺りこういうチャレンジどこかのチームがやってくんないかな。

今までのアメリカメーカーの傾向から考えると、売れたら市販バージョンが登場って事にはならないと思いますので、期待しない方が無難だと思いますヨ。

コメント [4]

たぶん誤植ですよ、馬力の発生回転数。
150馬力を6500回転で発生すると、
そのときのトルクは16.5Nm近くになります。

>匿名さん
素サイトの記事を見に行ったら、修正してました、最大出力と最大トルクの回転数を逆に書いていたようです。なんの疑いもなく書いてしまったので、お恥ずかしい限りです。正確な数値にしてみると、最大トルクが13.5Nmとコメントされた数値より小さいのは、やっぱりOHVでロスが多いからなんですかね。

私も桁間違ってました。
16.5Nmではなくて165Nmでした。
お恥ずかしい…

1.4リッター空冷2気筒OHVが8000回転も回ること自体が個人的には信じがたいです。

ところでこれもフレームが燃料タンクを兼ねてるんでしょうかね。
あのアイディアはすごく好きです。

>匿名さん
自分も、OHVで8000回転も回そうなんてアメリカ人しか考えない脅威のメカニズムなんじゃないかと思ってます。

燃料タンクの位置ですが、素サイトの記事からは分かりませんでしたが、ストリップ写真を見る限りでは、エンジン上のスロットルボディ(でいいんですよ)の位置が「XB12R」と同じなので、おそらくエアクリボックスを兼ねたダミータンクですね。フレームが燃料タンクだと思いますよ。

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このページは、naganagaが2006年1月31日 18:43に書いたブログ記事です。

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