スペインのMCメーカーDerbiが昨年末に発表した｢GPX1｣というモデルなんですが、最初見たとき、同クラススポーツモデル｢GPR50/125｣の派生車と思い込み、忘れてエントリーしてなかったのですが、後でよ〜く見直してみると、全く別のコンセプトで作られたモデルだったので、今頃慌ててエントリー書いてます。どこで気付いたというと、その変な形をしているエンジンですね。｢GPR50/125｣は、フルカウルに包まれてて形状がよく分からないのですが、チェーンカバーの形状が、全く違うのですよ。すっかり騙されてしまいました。

デザインは、兄貴分にあたる｢Mulhacèn 659｣に近く、オフ車とオン車の中間的な雰囲気です。かといって、スクランブラーをイメージさせるような雰囲気はなく、逆に過激なモタードモデルとは違う、どう表現していいのか難しい新しいデザインですね。オフ車のデザインに、オン車のようなツインスパーのフレームを取り入れるとなんかちぐはぐなデザインになる事が多いのですが、この｢GPX1｣は成功していると思います。

エンジンは、その形から分かるように、スクーターのモノですね。本来スイングアームとして機能する部分を固定して、エンジンブロックとして搭載しているようです。本来、リアホイールが装着される場所に、スプロケットが装着され、チェーンで後輪を駆動するという、なんとも回りくどい方法になっています。圧倒的に数を大量生産されるスクーターのエンジンを使えるという意味では、車体のコストダウンにつながるんでしょうけど、強引。ただ、車体のデザインと妙にマッチしていて、雰囲気がいいんですよ。排気量等のスペックは分かりませんが、見た目から水冷2ストローク単気筒で、250cc前後ではないかと思います。サイレンサーを小さくしたのが原因か、かなり大きいチャンバーに目がいってしまいすヨ。

高性能な前後サスペンションが装着され、スポーツを主張するためか、ブレーキキャリパーもラジアルマウントのされています。未確認なんですが、この｢GPX1｣はスクーターのエンジンを流用しているので、恐らくシフトは無段階変速で、ステップ周りには何も操作系が無いように思われます。さらに、写真では、本来後ろブレーキのペダルがある場所には何も無いんですよ。つまり、このサイズの車体で前後ともハンドルブレーキのようです。なんか、パニックブレーキの事を考えるとスゲー怖いと思うのは自分だけでしょうか?

｢Motor Box｣の記事によると、価格もまだ発表されておらず、実際にこのモデルが生産されるかは、まだ微妙なようです。市場の反応を見てるってところですかね。まぁ、面白いモデルではあると思うんですけど、実際、モーターサイクルを乗り継いできた人には、操作系がちょっとつらいかな。こういうスタイリングで普通の操作系だったら飛びつく人はいそうな感じはしますけど、どうでしょうか。