Movie
笑い満載の「THE有頂天ホテル」は、舞台と映画のイイとこ取り。
自分は、三谷幸喜マニアって程ではないんだけど、過去に「コレは面白い」と思ってはまったドラマは、三谷幸喜氏が脚本を担当していることが多いんですよ。「王様のレストラン」や、「HR」とかのコメディーが好みで、あの微妙な間の笑いが好きなんですよね。「HR」放送以来、大河ドラマの「新撰組!」とかやっちゃって、こういう作品がご無沙汰(間に「笑の大学」がありますが、漫才型のコメディーなんで、ちょっと違う。)だったので、正直飢えてました。「THE有頂天ホテル」公開日決定から早く観たくてたまらない気分でしたヨ。
この映画は群像劇で、特定の主人公が存在しません。登場人物全てが主人公であり脇役でもあるという特殊な作品です。物語も複数のストーリーが同時進行というかなり忙しい構成になっています。最初、映画の冒頭で、その構成に観ている自分達が混乱して物語についていけるか心配だったのですが、きちんと整理されていて十分楽しめました。しかも、最後のカウントダウンパーティーに向かって物語がきれいに収束していき、それぞれの登場人物が幸せを見つけていく過程に、ホロっと来ちゃいましたよ。もうコレだけで賞賛に値します。(それぐらい作劇は難しいと思う)
恐らくコレは1シーン1カットという演出方法が大きく作用していると思いますね。カメラが外れても、画面奥で演技が続いてたりするので、観てる方も気が抜けないのが、よりこの映画の世界を堪能できる要素にもなっていると思います。気分は舞台演劇でしたね。画面からほとばしる役者さん達の緊張感のある演技は、リアルで良かったですよ。彼らの真の実力を観たような気がしました。
しかも、全編細かい笑いが満載で、終始笑顔で観賞してました。落としどころでは、観客の皆さん声を上げて笑う始末で、もう、してやられたって感じですヨ。あんまり劇場で声を出して笑うってことはないけど、何故か三谷幸喜作品ではこうなるんです(「笑の大学」もそうだった)よね。シュールな笑いではなく、ベタな笑いと、軽い下ネタの積み重ねだけで、ここまでできるんだから凄いです。名人芸ですよ。
あと、キャスティングも、普段ならこの役者さんは、こういう役はやらないだろうなという役で出演したりしてるのが面白かったですね。特に唐沢寿明とオダギリジョー、もう良過ぎです。松たか子のニセ愛人の演技や、役所広司のかぶり物をしての真面目な演説も最高でした。まだ、他にもいっぱいあるのですが、書いてると映画全編を書いてしまうことになるので止めときます。
ただ、何か心にのこの作品かというとそうではないんですよね。ただの日常を描いているんだけど、日常でも小さな幸せは転がっているんだなと思わせてくれる作品ではあります。
それと、他の三谷幸喜作品を観ても思うことなんだけど、「気軽にうそはついちゃいけない」。理由はね後が大変になるから。これがこの映画の教訓かな。
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コメント [4]
初めてお邪魔します!私は、公開初日に観に行きました。いろんな意味で凄い映画でしたね!伊東四郎の、白塗りになってからの演技が最高に笑えました。
>えぬさん
確かにアレは笑えましたよね〜。爆笑キャラなのに大した活躍無しという総支配人の役柄は最高です。こういうキャラに金をかけようと思う三谷幸喜は最高です。
はじめまして。
昨日TBしたのですが、どうも結果が確認できず、できなかったと勘違いしてコメント残しませんでした。
なのに、すでにお返しTBが・・・
申し訳ないです。ありがとうございました。
普段は東京・神田近辺のランチブログやっているんですが、たまに映画の記事も書いているので、気が向いたら見てやってください。
こちらもまたお邪魔しますね。
>加賀錦さん
うちのblogは、TBありがとうコメントはナシというポリシーでやってますので、そんな恐縮されなくても良いですよ。自分は、お返しTBも気が向いたらやってるって感じなので。
ここのエントリー読んでて、また、気が向いたらTBでもして下さいな。