Motorcycle
より強力なエンジンを登載したVyrusの「985 C3-4V」。
Vyrusの「984 C3-2V」は、その昔、従来のテレスコピックのフロントサスペンションを廃した、スイングアームとセンターハブステアリングをフロントに装備したbimotaの「Tesi 1D」の直接的な後継として登場したのですが、この時は、Ducatiの「1000DS」に載せられている984ccの空冷2バルブ2気筒エンジンが積まれ、ハンドリングを楽しむには十分だったのですが、出た当時から、もっとパワーのあるエンジンの方が面白いのではないかと評されていました。そこで、Vyrusは、その要望に応えるべく、「999」の水冷4バルブ2気筒エンジンを載せた「985 C3-4V」をデビューさせました。ハイ、コレで文句はございませんと言ったところでしょうか。
デザインは、基本的に「984 C3-2V」と変わっていないのですが、エンジンの形式の変更によって、リアセクションを中心に大幅にデザインが変わっています。前は、エンジン下に納められ蜷局を巻いていたマフラーは、リアカウル下にサイレンサーが納められるアップタイプのモノに変更、お陰でテールランプの行き場が無くなったので、リアカウルの形状が大幅に変更されています。丸みを帯びた形状が好きになれなかったのですが、今回は角張ったシャープな形になっています。個人的にはコッチが好みです。で、空いたエンジン下は、スイングアームのお陰で通常のエンジン前に設置できなかったラジエターが、アンダーカウルにビルトインされた形で設置されてます。正面から見ると左右のラジエターがV字に配置されているそうです。ただ、この位置って、不意に不整地走行を強いられた時、思いっきり石が当たる場所ですね。網を張っているといいんですが...。けど、なんかこのラジエター位置って取って付けた感があるのですが、どこに持ってきても格好悪くなりそうなのでココしか無かったんでしょうね。全体的には、よりシャープな印象でGOODです。けど、もうちょっとシート下とかのメカメカしい部分をカバーしてくれた方が、印象は良かったと思うのですが...。
「Motor Box」の記事によると、エンジンは、上記のようにDucati製の水冷4バルブ2気筒エンジンを積んでいます。ピークパワーは150hpということは、「999R」のエンジンということで、Ducatiでも最強のエンジンが供給されるようです。乾燥で157kgの車重から考えると、かなりパワフル過ぎかもしれませんね〜。しかし、かなりな金額を支払わされるモーターサイクルなんだから、これぐらい積んでもらって、やっと支払金額と性能の釣り合いが取れたような気がしますヨ。ついでにユーロ3の排ガス規制はクリアしているそうです。
エンジン上の唯一の重量物である小ぶりなタンクは、14.5リットルと、1.5リットルの増量。ちょっとだけ遠出ができそうですが、エンジンが大人しく走るの許してくれそうにないので、意外とより近場仕様になったかも。
まぁ、100hp近くパワーアップ化したのですが、このサスペンションシステムの独特な操作感さえスポイルされていなければ良いのですが、実際、どう変貌しているのか興味あります。しかし、購買意欲を簡単に削ぐ価格設定ですので、一生乗るチャンスはないでしょう。ただ、自分の性格を考えると、乗る?って聞かれても、転かしたときが怖いから拒否するでしょうけど。
価格は、53,750ユーロ(約757万円程)で、06年の3月には発売されるようです。
ああ、そうですか。
やっぱり、これもbimotaのモデルとして登場するのでしょうか。その時は「Tesi 2D-X」か、「Tesi 3D」かどちらの名前が付くのでしょう。
コメント [5]
またまた現れてしまいました。
VYRUS 985が取り上げられるのをお待ち申し上げておりました。
VYRUSの公式サイトはショーで985がデビューするよという告知だけで一向に更新されず、EICMAのサイトにも載らず、MotorBoxでもなかなか取り上げられなかったのでまだかまだかと...。(^_^;
ラジエーターの位置は確かにいただけないですね。イタリアらしくない気がします。
しかし984が2台買えそうなくらい高額ですね。庶民なボクには...。(泣
>右京村正さん
Vyrusとbimotaは、高いコストをかけて開発したワンオフのコンプリート車を、他に希望希望者がいるので限定で生産しているショップだと思っています。だから、多少手作りらしい粗い部分(「985 C3-4V」の場合ラジエター周りとか)があっても気にしちゃいけないんだろうと思ってます。でもまぁ、1千万円ぐらいはした金だって思ってる金持ち連中向けの価格設定ですからね。本当にその値段分の価値があるのかは疑わしいところです。個人的には、エンジンも自前で作って1千万円ぐらいで売るっていうのだったら評価してもイイと思ってます。
VYRUSがbimotaよりも少人数なのは知っています。それでも言ってみたかったのです。(汗
以下、マジレスです。
流石に自前エンジンのワンオフ車は1千万円でも到底無理です。bimotaに似たような過去があったような気がしますが、2stエンジンであの結果ですから4stだと...ああ恐ろしい。
VYRUSの場合ハブステア関係のライセンスとかもあるのでしょうし、あすこしか作れないものでしょうから。
ライセンスフリーのエンジンとかがあると話は別と思いますけど、精密部品ですから難しいでしょうね。設計図があってもスペック通りに加工できないなんてよくある話ですし、加工の仕方一つでコストも耐久性も変わる部品だってあるますし。
でも、もし本当にそんなエンジンがあったらワンオフ業界に新しい風が吹いて庶民にも手が届くようになるかもしれませんね。
ではでは。
>右京村正さん
確か、「500V due」の場合、エンジンを製造担当した会社の品質管理に問題があり、不良品を大量出荷後の製品の回収、リコール対策などで経費がかさみ、元々小さい経営規模のbimota
を窮地に追い込んだので、実際に問題も起きず順調に売れていたら、bimotaをメーカーに脱皮させていた筈です。だから、エンジンを作ったからダメになったっていうのは違うんですよ。実際、bimota的な位置づけでエンジンまで作っているメーカーって(言っていいのか?)ありますしね。(例えば、Mondial、BENELLI、Terra Modenaとか) だから、エンジンまでやろうと思えばやれるんじゃないかと思ってます。ただ、買ってくれる客がいるかは別。金持ちじゃなくても、1千万円あれば、普通、自動車買うと思います。
ただ、、殆どのメーカー経営危機を招いているように、キャパの小さい金持ち相手の商売は難しいんでしょうね。(笑)
「ワンオフ→1台だけ」なので無理と書いたのですが、考えてみればワンオフ話というよりも元々VYRUS 985の話でしたよね。(汗
数台〜数十台作るのであれば無理ではないと思います。おっしゃるように、買う買わないとか買って貰える/貰えないはもちろん、それで会社として成り立つかどうかは別で。
bimotaのいきさつは初耳でした。
上っ面だけで書いてましたすみません。
ただ、加工先の品質管理や加工先に対する品質管理指導ができていないのは発注元の責任に寄るところも大きいのですが、詳細を知らないのでやめておきます。
ではでは。