Motorcycle
激戦を生き抜け、全てが新しくなった「Daytona 675」。
イギリスのMCメーカーTriumphのラインナップの中で、スーパースポーツレンジを受け持つのが「Daytona」シリーズなんですが、そのミドルレンジのモデルが、フルモデルチェンジして「Daytona 675」へと進化しました。エンジンから車体の全てをオールニューになっていて、名前は同一でも全く違うモーターサイクルなので、進化と書いていいのか難しいところなんですけどね。デザインは、先代の「Daytona 650」は、どうにも、日本車っぽい雰囲気を持っていたのですが、今回は、それが少し薄まって、Triumphの独自色を強く打ち出したモノになっています。 (それでも日本車っぽいですが...。)ただ、個人的には「Sprint ST」ような奇抜な部分が見あたらないのが、ちょっと残念。
まず、目に付くのがフレームがアルミのツインチューブから、パイプフレームへ変更されたことですね。形状は上級モデルの「Daytona 955i」と良く似たものですが、流用ではなく専用のモノになっています。エンジンが新しい型になり、クランクケースがシリンダーの後ろに来る形になった為なのと、登載位置を上にした為、エンジン上の空間を取るための変更のようです。ただ、全体のバランスがなんか125ccクラスのモーターサイクルの様ですね。700cc近いビックバイクに見えないのが新しいです。商業的にウケがイイかということは別にして...。
しかし、これでもかっていうぐらいエンジンが上に上がっていますし、さらにはセンターアップマフラーになっているので、人間も含めて重量物が上に寄っている構成になってます。恐らくハンドリングは、倒し込みがえらい鋭いんじゃないかな、急激に倒れそうだから乗ってると結構怖いかもしれません。シリンダーが並列なんで旋回している時は落ち着くと思えるのですが、不安定感はあると思いますヨ。どちらかというと2気筒的なハンドリンクを狙っているのかなと思います。後、重心が高いので取り回しが大変そう。意外と立ちゴケも多そうな気がします。まぁ、1.392mmという先代と変わらないホイールベースで運動性向上ってことになるとこうなるって事かな。
「Motor Box」の記事によると、エンジンは、先代の並列4気筒というフォーマットは踏襲せず、新しく開発した並列3気筒に変更しています。12.500回転で123ps、11.750回転で72Nmのトルクを発生させるのですが、回転数は上げずにパワーとトルクを両立させているのが4気筒と2気筒の中間で両者のメリットのいいとこ取りができる3気筒ならではいったところでしょうか。恐らくアクセルを開けやすい性格のエンジンだと思うので、上記の車体と相まって、ジェントルにスポーツ走行をするには面白いんじゃないでしょうか。
フロントサスペンションは、直径41mmの倒立となり、ニッシン製の4ポットブレーキキャリパーがラジアルマウントされます。123psもパワーがあるモーターサイクルとしては、ちょっと細いような気がするんですが、日本車が太過ぎって意見もあるので、Triumph的にはこれでいいんだということにしておきましょう。
なんか、ここまで書いてきて思ったのは、「Daytona 650」は、Triumph的には万人受けを目指したモノなんだろうけど、かなり通なモーターサイクルになっていると思いますヨ。下手すりゃ、DUCATIが作るモデルより、面白いかもしれないと、密かに期待してたりもします。(増車できる立場にないけど)