Motorcycle
マイルドさ無し? より先鋭化した「YZF-R6」。
昨年、YAMAHAは兄貴分の「YZF-R1」を2年連続でフルモデルチェンジを行ったので、そのあおりでフルモデルチェンジを一年遅らせた「YZF-R6」が登場です。久しぶりというわけで、まぁ、跡形もなくという言葉が似合うほど、前のモデルから変わってしまってます。シルエットと特徴的なライト周りとフレームの形が、辛うじて前モデルからの継続性を感じさせるだけですね。「YZF-R6」のデザインは、歴代どこか変なところがあるというのが特長で、アッパーカウルやサイドカウルの造形が野心的(変)なモノになっています。インパクトは強烈ですが、好き嫌いがハッキリと分かれるんじゃないでしょうか。アッパーカウルなんて、センターエアインテークにするとホンダの「VTR-1000R」に似ちゃうので、徹底的に変えちゃるという気合いすらかんじられる気がします。
サイドカウルは、かなりタイトなモノに変更されて、殆どフレームとエンジンとの間の隙間が無くなってます。こうすると、今までのように大穴が開いているだけのカウルでは、冷却の問題が出てくるのか、穴だらけのボコボコしたモノになってしまいました。コレはコレで無骨な感じで、スポーツ指向の強い「YZF-R6」に、似合っているんじゃないでしょうか。見てくれだけで、熱いのを乗ってる人間に我慢させるのもどうかと思うので...(F4Sオーナーの悲哀)。
リアカウルの造形は、より鋭さを増して槍みたいに尖ってますよ。大きさも小ぶりで、ステップが付いていないところを見ると、完全にシングルシーターとして割り切っているようです。まぁ、この面積のシートにちょっとでも座れと言いわれるのは、あまりに酷というものだと思いますヨ。しかし、その弊害か、取って付けたようなナンバープレートホルダーとウインカーは、イマイチいただけないですね。なんか色んな意味凄く浮いてますよ。形から察するに本来は「YZF-R1」と同じようにアップタイプのマフラーが装着される予定だったのが、従来の位置にショートマフラーが装着されたので、こんなになったんでしょうか。デザインの変更が間に合わない程の急な変更だったのか、単にやりようがなかっただけなのか、真相が気になります。まぁ、への時スイングアーム復活ということで相殺?
けど、今回の造形だと転倒するとイロイロと部品が削れたり千切れたりしてそうですね。特に前後ウインカーとか剥き出しのエンジン部品とか、たちゴケでもヤバいかも。転倒コストは意外と高いかもしれませんね。
今回はエンジンも大幅に手が入っていて、ボア×ストロークが65.5×44.5mmから67×42mmへ変更、圧縮比も12.4:1から12.8:1に変更されています。パワーも130hpほどに大幅パワーアップのようです。エンジンの傾斜角も見直されて(多分)ホイルベースが1380mmと5mm短縮されています。「Motor Box」の記事では、トルクに関してはふれられていなかったので分からないのですが、仮にトルクに変化が無いとすると、より高回転型のエンジンになっていそうですね。けっこう4気筒マニアにたまらない仕様になった?かも。
タンクとエアボックスは形を変えて縦に長いモノに変わったようですね(見た目分からないけどタンクの分割線が物語っています)、これで重心がエンジン寄りなって、ハンドリングの向上に貢献しているようです。
という感じで、なんかより万人受けしなくなった感じがする、今回の「YZF-R6」ですが、もともとマニアウケしてたモデルだから、正常進化ということで、コレはコレでで良いと思います。誰にでも優しい悪く言えば八方美人的な国産モーターサイクルにあって、乗り手を選ぶ「YZF-R6」の性格は貴重ですから。