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今年の「日本アカデミー大賞」は、内輪の褒め合いでしたね。
先日、昨年製作された邦画でどれが一番良かったかを決める「日本アカデミー大賞」が決まりましたね。昨年は邦画はヒット作の多い年だった為か、話題作といわれた作品がノミネートされたので、例年になく華やか感じでした。よっぽど映画関係者(実写)は、「世界の中心で、愛をさけぶ」で興行成績2位(邦画部門)を獲得できたのが嬉しかったのか、いつもの年よりも、アニメや特撮関係を、ことごとく無視する「日本アカデミー大賞」になっていましたね。アニメ・特撮以外で話題になった作品が、各賞を分け合うだろう予想していたんですが、見事、受賞作品に関しては予想通りの結果でさしたる感動もなかったのですね。
確かに、邦画部門の年間興行成績(日本映画製作者連盟発表)の資料を見てみると、「世界の中心で、愛をさけぶ」「いま、会いにゆきます」の2作品が2位3位と健闘していることは事実ですが、興行成績1位は「ハウルの動く城」でした。さらに、トップ20のうちアニメが9作品、特撮が3作品と、実際に邦画の躍進を牽引していたのは話題になった実写作品ではなく、アニメ・特撮作品であることが分かります。
「日本アカデミー大賞」で受賞した作品は、どれも良質の作品で、受賞したことを批判するつもりはないのですが、アニメ・特撮作品が、これだけ貢献しているにもかかわらず、この無視ぶりが、いかに映画関係者(実写)にアニメ・特撮作品の対してアレルギー反応がいか強いかよく分かります。個人的には、「そんなに嫌いか?」と思ってしまうのですが、古い偏見の色眼鏡が未だに根強いようです。確かにアニメ・特撮作品は批評家の嫌うマーチャン・ダイジングに乗っかった娯楽作品が多いですが、それだけで全部を無視するのもどうかと思います。もう少し、興行収入の面で今の日本映画業界を引っ張っているアニメや特撮の制作関係者に敬意を払ってもいいんじゃないかと思いますね。アニメなんて、海外でこれだけ評価の高い分野なんだから、この姿勢は、ある意味日本の恥にならないかと心配になるときがあります。
まぁ、嫌いなモノは仕方がないとしても、今のように、実写もアニメも十把一絡げにするんじゃなくて、アメリカの本家「アカデミー賞」のように専門の部門を設けて、いい仕事をした人をちゃんと評価する必要があるのではないでしょうか。今のままでは、アニメや特撮を作っている限り、どんなにイイ演出をしても陽が当たらなくて埋もれたまんまってことになりはしないかな。専門部門を作ることで、アニメ作品の優秀な監督や演出家が商業映画への進出のきっかけにもなりますし、逆もありうるでしょう。映像業界全体が活性化するように思うのです。でも、これやっちゃうと、総合部門でアニメや特撮が作品賞を取ることはできなくなってしまうかもしれませんが、無視よりはマシです。
現状の内輪の褒め合い「日本アカデミー大賞」を見ていると、映画業界として、それは望まない現状のままでいいと思っているようにしか見えないなぁ。
「日本アカデミー大賞」あったらいいと思う、専門部門賞(個人的見解)
アニメ作品向け
1.優秀アニメ作品賞
2.優秀アニメ監督賞
3.優秀アニメ脚本賞
4.優秀声優賞(主演、助演、男、女を分けるべきか迷う)
特撮作品向け
1.優秀特殊撮影賞(あえてVFXとは言わない)
2.優秀CG賞