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「アイ・ロボット」は、バランスの取れた良い作品。

ここ数年、立て続けに世界を救っているウィル・スミスの主演作「アイ・ロボット」を観てきました。英語では「i,ROBOT」って表記するんですが、「iRobot」にしなかったのは、やっぱりAppleの「iPod」とかとかぶっちゃうからでしょうか。劇中の「NS5」ってロボットが出てくるんですが、白くて半透明、一部メタルってところなんか、すっごく意識していると思うんですがね。

冗談はさておいて、「トリビアの泉」のオープニングでお馴染みの、アメリカのSF作家アイザック・アシモフの作品「我はロボット」を原作にしたハードSFモノなんですが、この映画の話は原作には存在しないそうで、ロボット三原則あたりの設定のみを使っているそうです。あまり原作にこだわらなかったのが良かったのか、ハードSF作品にありがちな観客を置いてきぼりにする演出や、お説教じみた演出はなく、ハードなテーマとエンターテインメントがバランス良く配分された映画になっています。

この「我はロボット」っていう作品は、ハードSFとしては古典的な作品なんで、過去色々な作品に引用されているので話の大筋は目新しいモノではないんですが、殺人事件モノの様なサスペンス的な要素を取り入れて、観客に推理させるという方向に持っていっているのが、面白さの秘密でしょう。最後は、SFファンならハイハイとうなずいてしまうお約束な展開なんですが、テーマの「進化した機械には魂が存在するのか」というのは、結論を出しようがない話なので、あれ以外を望むのは酷な話です。それに「水戸黄門」の印籠シーンと同じで、あそこに落ち着かないと居心地が悪いです。個人的には経過が面白かったのでグッドな作品になりましたよ。

ただ、主人公のスプーナー刑事(ちょっとサイボーグ)が、なぜロボットが嫌いなのかを無理に掘り下げなかったり、コンピュータのネットワークが現代のモノと大差なかったり、小綺麗な未来世界を表現した美術を観ていると、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」に似せないように苦労しているなとも感じてしまいました。逆に、テーマがテーマなんで似ても仕方がないところを、あそこまで変えてきたのはスゴイと思いますよ。最近は、臆することもなく、アレンジ全く無し元ネタ丸わかりでパクるハリウッド作品が多いので尊敬に値します。(アニメもハリウッド作品をパクりまっくっているので強くは言えないけど…)

この「アイ・ロボット」という作品は、色々な方向から楽しめる作品ですので、万人にお勧めできます。SFモノ自体に拒絶反応がないのであれば、1,800円分の価値はある作品だと思います。

--余談--
こういう観方は、ハリウッド作品至上主義の人からは批判されるかもしれませんが、「アイ・ロボット」を人類が電脳化される以前の話と位置づけて観賞すると、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」や、「イノセンス」で語られている内容を理解しやすくなるのではないかと思いました。「イノセンス」のDVDも発売されたことですし、話題性だけで「イノセンス」を観に行って全く意味が理解できなかった人は「アイ・ロボット」から再挑戦してみるのも面白いかもしれませんね。

--余談2--
naganagaの愛車、MVアグスタ F4Sが出てきたのが嬉しかったですね。しかも、元から生産台数の少ないSPRだったから満足度高いです。けど、劇中ではクラッシックバイク扱いでしたけどね。アクション映画の常で、主人公の乗る車両はたいがい壊されてしまうんですが、300万円が宙に舞いグワシャンと壊れる様は、個人的には観たくなかったです。
壊すんならクレ。(オイオイ)

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このページは、naganagaが2004年9月24日 14:47に書いたブログ記事です。

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