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「CCCDの弾力運用」という言葉の裏を考えてみる。

日本のレコード業界の皆様は、ろくな調査もしないで、アメリカのRIAA様の用意したシナリオどおりに、P2Pを悪者にしてCCCDを導入した訳ですが、結果は、ご存じのとおり過去3年の売り上げは見るも無惨に右肩下がりで、リスナーの音楽離れに拍車を掛けただけでしたね。年々マンネリ気味で質の低下が激しいのに、プレーヤーまで破壊されるとなると、こうなって当然なんですが、この現状に、やっとこ重い腰を上げたのが、CCCDの老舗avexってのが笑えます。しかも、お家騒動で現場派の人が覇権取ったから実現したんだなぁと考えると、さらに笑えます。ただ、CCCDの弾力運用なんて言ってるから全廃する気は無いみたいですね。この動きから権利保護から、営業戦略の道具へと転換を図ったと感じるんですよ。

エイベックス、CCCD弾力運用へ

エイベックスは、コピーコントロール機能の有無を商品に応じて弾力的に決定していくと発表した。この内容は、2004年9月22日に発売されるCDから適用される。

引用先 CNET Japan:ニュース

ようは、ジャケットの裏に書いてある「○年間レンタル禁止」ってやつをCCCDを使って一般消費者向けやるんですよ。

  1. シングルやアルバムを、まず、CCCDとして発売。音質や使い勝手なんてどうでもいい新モノ食いのリスナーにまずは売付けます。
  2. 半年〜1年後にCDを発売すると予告して待ちのリスナーを捕まえておきます。
  3. 発売後半年〜1年経過したら、音質向上版とか称してCDを発売し、音楽マニアや、コレクターにアピールすることで、また売るんですね。この時、限定プレスや、専用ジャケットなんて事をすれば、品薄感も煽ることも忘れていないでしょう。

ってな感じのシステムですね。こうすれば、最初の発売時は、プロテクトがかかっているので大量の違法音楽ファイルがP2Pに流れるのを防ぐことができ、収益を確保してから、CDを再発売することでマニアなリスナーにも対応でき、会社のイメージも悪くならないと、1つのコンテンツで2度美味しい訳です。まぁ、オタク向けのグッズを販売している会社がよくやる戦略なんですが、CCCDを使えば、音楽業界でも可能になるということですね。最近、オタク分野にも進出しているavexだから、このことに気付いたんじゃないかと推測しているんですが、考えすぎでしょうか。

逆に、売れる見込みの楽曲が売れなくて、CCCDだけしか発売されなかったなんて事態も予想されるので、CCCDの弾力運用という言葉を使ったのではないかと思います。CCCDで行くのか、CDで行くのかプロデューサーの裁量で決めさせれば良いので、駄目なときや問題が発生した時などはトカゲのしっぽ切りみたいな責任の取り方できるというわけです。P2Pに大量にファイルが流れてCDが売れなかったら、プロデューサーの首が飛ぶということになるかもしれませんね。

まぁ、このシステムの中に音楽ダウンロードサービスが組み込まれるわけですが、新譜の供給とかはリアルタイムじゃないかもしれないですが、これまでの消極的な姿勢よりかは幾分ましなので歓迎ですね。後は、レコード業界がどこまで、ニュートラルな対応をしてくれるかですね。また、公取に調査されましたなんてことがないようにして頂きたいモノです。

恐らく、今回の決定で音楽ダウンロードサービスの開始や普及が加速されていく事は間違いないと思いますが、自分たちの権利保護にご執心な業界ですし、ある程度の旨味があることも知っているわけですから、CCCDが消滅といった、楽観視はしない方がいいというのが自分の考えです。

--余談--
ここ3年で買ったのを調べてみると、あんまりCCCDにご執心じゃなかった、キングレコード日本コロムビアのCDばっかりでした。別にCCCD不買運動に参加していたわけではなくて、基本的に、CCCDにご執心だったavexや、東芝EMISMEが発売する楽曲が好みに合わなかっただけということみたいですな。カッコイイんだけど、飽きも早いってのは個人的に苦手みたいです。

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このページは、naganagaが2004年9月22日 19:56に書いたブログ記事です。

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