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今から楽しみ、2005年の福井晴敏原作映画対決。
2004年の日本映画は、士郎正宗原作の映画が2本、永井豪原作の映画が3本を筆頭に、意欲的な作品が多く公開されていますが、2005年も、今年のようなペースで大作が公開されていくみたいですね。早くも来年のことを言っているので、遠くから鬼の高笑いが聞こえなくもないですが、来年も劇場通いに忙しくなりそうです。
その中でも、「亡国のイージス」で各界から注目の作家、福井晴敏原作の映画が2本も公開されることになったようです。もう、大夫前に制作発表された、「終戦のローレライ」を原作にした、樋口真嗣監督の「ローレライ」と、大ベストセラーの「亡国のイージス」を原作とした、阪本順治監督の「亡国のイージス」です。原作がどっちも面白いだけに、タイトルを聞いただけでもどっちも期待してしまいすね。
実は、「ローレライ」は、最初は「亡国のイージス」を映画化するという企画から始まったらしいのですが、話が進んでいくうちに、福井氏も巻き込んで、原作から映画を意識してやっていこうということになったらしく、福井氏がプロットとして小説を書き、それと同時進行に近い形でシナリオの作成作業を始めたそうです。企画開始当初から、かなりのCGシーンを多用するため、特撮畑出身でアニメ作品の演出も多く手がける樋口真嗣氏が監督に起用されました。「ガメラ」シリーズや「新世紀エヴァンゲリオン」等でのケレン味あふれる戦闘シーンの演出で評価が高いので、既に個人的には、ずいぶん期待しています。VFXの方も樋口人脈で日本の一線級(特撮に強い東宝だし)が集まってそうです。間接的にGONZOやガイナックスも関わってそうな気がする…。
で、「ローレライ」で宙に浮いていたので「亡国のイージス」のほうは映画化は当分先かなと思っていたらいきなり来ましたね。発表されたばかりなので詳細は分かりませんが製作費12億円だそうなので、VFXの方は、それなりの出来を期待(特撮に弱い松竹なんで過度な期待は禁物)していいかな〜。会見ではそこら辺のことはあんまり触れられていなかったようです。ただ、現代劇ということもあって、航空自衛隊と海上自衛隊の協力を得て、実機を多く登場させるみたいです。力押し…かな。監督を務める阪本順治氏は、男の世界を描かせると上手いベテラン監督ですので、重厚なドラマを期待しています。
アニメ・映画屋連合の作る「ローレライ」に、生粋の映画屋が作る「亡国のイージス」をぶつけてきたのは、「アニメ作品が世界で評価されているが、俺たちだって面白いモノを作れるぞ!!」っていう挑戦のように感じるのは自分だけでしょうか。けど、正直なところドンパチ満載の娯楽作品を作らしたらアニメ系の演出家の方が上のような気がするんです。実写の方は、今までが今までなんで、どうかなぁ。「亡国のイージス」が払拭してくれると嬉しいんですけどね。
同じ原作者の小説が、同時期に2人の監督によってどう料理されるのか楽しみでもあるんですが、個人的には「ローレライ」の方に肩入れしています。製作費も同額な分、実際に鑑賞した後、どういう評価を自分がするのか、今から公開が楽しみです。
後、福井晴敏氏のもう一つ大作「月に繭 地には果実」も映画化されるといいなぁ。
(それは、あんさん、もう別タイトルで映画化されてまんがな〜。)