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｢デイ・アフター・トゥモロー｣は明日起こるかも?

梅雨だというのに暑い日が続き異常気象だなぁと思う今日この頃ですが、かなり涼しくなりすぎる映画に行ってきました。雪に閉ざされたニューヨークの宣伝ポスターが衝撃的だった｢デイ・アフター・トゥモロー｣です。

ローランド・エメリッヒ監督といえば、パニックものと言われるぐらい、この手のジャンルを多く作っている監督さんなんですが、個人的に｢インディベンデンスデイ｣には、ハリウッドの作るアメリカ万歳(賛美)要素の露骨さに、｢GODZILLA｣には、災害映画としては良くできていたのですが、怪獣映画ではなかった事に全くはまれなかったんです。(ちなみに両方とも初見はテレビ)
ただ、今回は、侵略でも怪獣でもなく純粋に災害映画なので、絶対面白いはずだと勝手に思いこんで見に行きました。後、雪ばっかりで気分的に涼しくなるし〜。

ストーリーは、この手の映画の定石らしく、変わり者で学会からも虐げられている気象学者が、大災害が始まることを予見し、地球に氷河期がやってくると警告を発しますが、世間は無視。その直後から人類は未曾有の大災害に巻き込まれていくという感じなんですが、今回は3度目とあって、主人公は単なる学者なので危機を回避できません。なので最悪の結果になってしまいます。
いい意味で今までパターンとは違うので、予想を裏切られ放しで結構楽しめましたよ。ただ、映画的に誇張されているとはいえ、最新の地球温暖化研究に基づいた内容なので、実現してしまうかもしれない未来と思ってみると怖い映画だと思いました。

地球温暖化が進むと海面上昇だけではなく、極端な異常気象の多発、創造を絶する巨大台風が発生するというのは、知識程度では知っていましたが、実際映像で見せられると強烈ですね。
現実に世界中で異常気象のニュースを思い出すと、現在進行形の話なんですよね。地球温暖化から氷河期まで至る過程を口や文章で説明されるより映像で見せられるとよく分かりますし、ショッキングです。このまま、地球温暖化を放っておいたらこうなるかもしれませんよっていう警告という意味では大成功だと思います。
見終わって、この映画を思い出してみると、実は人類は後戻りできるボーダーラインを既に踏み越えていて描かれた未来に突き進んでいるのかもという考えが浮かんでしまいます。そうなっていないと信じたいのですが…。

そして、この｢デイ・アフター・トゥモロー｣は地球温暖化の警告であると同時に、地球温暖化防止を目的とした京都議定書を無視し、経済活動を優先、さらには利権狙いのイラク戦争まで始めた、今のアメリカ政府への批判も込められいます。
映画のラスト近くでは、寒冷化地域の拡大で大きな代償をアメリカ政府は払う結果になるのです。代表としてアメリカ政府になっていますが、北半球の先進国は同様の道をたどっていくのです。この｢デイ・アフター・トゥモロー｣が提示した批判を各国政府はどう受け止めてくれるのでしょうか。興味が尽きません。

一部でタルイと言われている後半の息子を救出に行く親父の話は、個人的にはOKでした。ちょっと展開が強引でしたが、巨大低気圧が北半球を覆うあたりで、主人公の設定説明者としての役割は終わっているので、ああいう展開は仕方ないかな。何もなくなってしまうかもしれない世界の中で、愛を頼りに生きていこうと努力する人の姿がないと、この映画は単なるお説教映画ですからね。ラストシーンではウルと来てしまいましたヨ。ただ同時に｢ゴキブリと同じぐらいたくましい。｣と思って笑ってもいましたけどね。

深読みすると暫く楽しめる映画でありますので、観た人はガンガン色々考えてください。
しばらくは、自分も地球温暖化防止について、自分が何が出来るか考える日が続きそうだぁ〜。