Naga Blog

Design

最新のデザインなのにファッションアイテムになれない

ファッションアイテムとしてのモーターサイクルっていうのは、なんでクラッシックなデザインのモノだけなんでしょうかね。ファッション雑誌のグラビアを飾るのはもっぱら、古い英国車や、それを模した国産車や国産改造車、ハーレーダビットソンとパターンが決まっています。コレに流行が加わり、ちょっと前だとライトチューンした古いオフ車(TWキムタクレプリカ)、今だと大型スクーターって感じです。ただしどれもデザインはチョイ古。どうも、ファション界のトレンドセッターの人達は最新のデザインのモーターサイクルはお嫌いなようです。

それは何故か、自分なりに考えてみたら、ちょっと気づいたことがありました。

よく紙面に登場するモーターサイクル達の製造された年代は、1960年代から70年代前半にかけて販売されたものが多いんですよ。今のハレーのスタイルもこの頃に確立されまして、映画「イージーライダー」の公開で確固たるモノになりました。ここに秘密があったんです。
今、よく着られているカジュアル服のデザインは60年代に生み出され、基本的なラインは完成70年代前半に確立され、そっから後のデザインはアレンジだけで今に至るわけですね。極端に言ってしまえば細部は違えど、カジュアル服のデザインは生まれた頃から何も変わっていない訳です。だから、古いモーターサイクルのデザインとマッチするわけですね。

服飾のデザインは古いスタイルを模倣しアップデートしながら螺旋階段のように進化しているのに対して、モーターサイクルのデザインは製造技術進化が、新しいデザイン要求してきたお陰で、階段状に進化してきたという違いがあるのです。だから、新しいデザインといっても古いデザインの要素を残すカジュアル服のデザインに最新のモーターサイクルデザインが合わない訳です。

ファション写真を提供する側も感覚的にこれらを感じてしまって、古いデザインのモーターサイクルを横に置いてしまうんでしょう。

ただ、これからこの流れも変わっていくと思いますよ。モーターサイクルも技術の進歩が鈍化し始めたので、デザインもあまり進化しなくなってきたんですよ。コレを受けてモーターサイクルのデザインも服飾デザインと同じように、古いスタイルを模倣しアップデートしながら螺旋階段のように進化する時代に入ったようです。海外ではネオクラッシックと呼ばれる古いデザインをベースに現代的なデザインを入れたモーターサイクルが現れ始めています。また、ベースにされるのが1960年代から70年代の車種なんですね。新しくて80年代前半ってとこでしょうか。もうカジュアル服のデザインにピッタリです。

これからどんどんとファッション写真にも最新デザインのモーターサイクルが登場すると思われますが、使われるのは外国車でしょう。ファション界の「洋物かぶれ」っていう体質もありますが、どうも国産メーカーはこのネオクラッシックデザインが下手で、古いデザインをベースして新しいデザインにしたのに古いデザインに見えてしまうのです。それなら古いデザインで復刻すりゃいいやって開き直っちゃたメーカーもありますね。こんなんじゃ、スクーター以外の国産メーカーのモデルがファッション写真に使ってもらえるのは、まだまだ先のような気がします。

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このページは、naganagaが2004年6月 1日 12:21に書いたブログ記事です。

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