｢キューティーハニー｣に行ってきました。子供が大量に見に来そうなので映画なので、休日なのに早起きして朝イチの上映を観てきましたよ。けど、いるんだよなぁ子供…。ちょっとドンヨリとした気持ちの中、上映が始まったんですけど、最初からいきなりハニーの入浴シーンなんですねぇ。こりゃまた結構ってな具合で一気に映画の世界に引き込まれしまいました。
1時間33分と短めの上映時間なんですが、あまりのテンポの良い展開にあっという間に終わってしまいました。

さすがに30分のテレビシリーズを手がけてきたアニメ畑出身の庵野秀明監督てすね。映画がきっちりと30分のテレビシリーズ3話分の構成になっていて、ゴールドクローと対決する初登場編、身近な人たちを守り、戦いの意味を知るコバルトクロー編、物語の核心とシスタージルとの最後の対決編になっていました。各パートともクライマックスを用意して飽きさせないようにしているのも、インタビューで｢映画監督はサービス業。｣と公言する庵野監督のごだわりが感じさせられました。
映画のテーマも、単純明快｢愛と友情｣。しかも、何のひねりもなく直球勝負。永遠の命についての問いかけにあっさりと答えを出してしまうのが、正直気持ちいいです。はい、完敗です。
後、アニメ版の｢キューティーハニー｣と解離することなくイメージをもったまま実写化されているのも驚きですよ。サイケデリックなオープニングアニメがそれを象徴しています。
(オープニングアニメは　Re:キューティーハニーのサイトで見られます。)

映画は全編コメディータッチで軽いノリ(おバカなノリとも言う)、さらにオーバーな演技と、アニメの世界をそのまま実写してました。悪く言えば、実写じゃなくてアニメでいいんじゃないと思うんですが、それをヌケヌケとやってしまうところが、この映画の特徴なんじゃないかと今は思っています。最初気になった主役の佐藤江梨子のダイコンでイモな演技も、個性豊かなキャラ設定のおかげで、最後は気にならなくなってしまう程のパワーを持ったフィルムに仕上がっていましたよ。

特撮シーンもアマチュア時代に所属していた自主製作映画グループのDAICON FILM時代で培った、｢低予算でスゴイ特撮を撮る｣という精神を、いかんなく発揮してチープなんだけど本格的な出来でした。CGとかも使っているはずなのに、合成がけっこう自然なんですよね。丸わかりのところもあるにはありますが…、低予算なんだから仕方が無いよねって感じの開き直りが、ただ｢逃げてる｣って思わされる特撮より全然いいです。こだわりのチープさは爆発も煙から違う…。
個人的に演出が浮いているんじゃないかと危惧していたハニメーション(説明しづらいんで公式サイト見てください)の部分も、思ったよりしっくりきてる…、驚きでした。なんか特撮で、アメリカに真正面からいどまなくっても日本独自の演出をすれば、けっこういけるなぁと何故か妙に関心してました。アニメな特撮表現という意味では、｢Matrix｣シリーズがアメリカ人の創造できる限界だと思うよ、個人的には。

と、ここまで書いてきて、｢キューティーハニー｣のダメなところを書いてないですね。正直、ハニーが色々な格好をするモノローグのシーンとか、大ボスのシスタージルとの対決あたりでテンションが少し下がるのですが、個人的には気になるレベルじゃなかったのです。設定がご都合主義だっーっていう人もいらっしゃるとは思いますが、必要なところは分かり易く簡潔に説明されていたので、問題無しです。

後、この｢キューティーハニー｣って映画、かなり芸が細かいです。注意してみているとニヤリとしますよ。個人的には、ハニーの持つ携帯電話の着信音にはまりました。

この｢キューティーハニー｣の率直な感想を書きますと、｢いや〜面白かった。｣です。未見の人は時間を作って見に行くべきとまでは言いませんが、興味があるなら見た方がいいです。見終わった後、テーマ曲が頭の中をグルングルンしてしまうぐらい面白いですから。
ただ、アニメ作品を全く見ない人や、洋画、芸術映画が好きな方、話に意味を見いださないと気が済まない方は、鑑賞されることはオススメしません。好みの映画に行かれた方が賢明です。お金は大事ですから…。あっ、後、チケット売り場で｢キューティーハニー1枚｣って言えない人も…。

最後に、｢キューティーハニー｣是非とも興行的に成功して、続編を作って欲しいです。次みたいです。お願いします。