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CDの売り上げ減少は、誰のせい。

ちょっと前のことですが、悪名高きCCCDが世に出た時に、ファイル交換ソフトがCDの売り上げに悪影響を与えているとすれば、CCCD化されたCDの売り上げだけがV字回復に近い伸びを示すだろうと思っていたのですが、実際は、横ばいか逆に下がったというのが顛末でした。
この時点でファイル交換ソフトとCDの売り上げ減少は関係ないだろうなと思っていたのですが、今回のハーバード大学とノースカロライナ大学の研究者の発表は、「ほら、やっぱりね」という感想ですね。

「音楽の売上減少に、ファイル交換の影響はなし」--米調査

米の研究者らが、オンラインでのファイル交換と音楽販売の関係を探る調査を実施したが、その結果、近年減少の続くCDの売上にはほとんど影響を及ぼしていないことが明らかになった。

引用先 CNET Japan:ニュース

結局、CD売り上げの減少の原因はファイル交換ソフトではなくて、レコード会社の見当違いの経営努力の賜物といえるのではないかな。
音楽の出来が悪くなったから売れないんだというご意見もありますが、出来は悪くはなってないと思いますよ。最近は録音技術の進歩で良くなっているんではないでしょうか?
歌い手の質は二極化してると思いますけど...。

CDやDVDを物としてみれば、キラキラ光る12cmの円盤な訳です。
ほぼ変わらない価格で、その円盤の中に、音楽しか入っていないものと、映像やCD以上の音質の音楽、ゲームソフトまでが入っているものとだったらどっちを買いますか。と聞かれれば、答えは、決まっているでしょう。お得な方がいいに決まってます。購入側の財布の中身も限られている以上、音楽しか入っていないメディアであるCDの売り上げが落ちるのはごく自然のことではないでしょうか。音楽メディアは他のメディアに負けただけです。

本来、音質を高めた次世代のCD規格に移行したり、プロモビデオを絡めてDVDとかにして商品価値を高めなければいけないのに、その商品価値を下げるかのごとく今よりも音質の劣るCCCD等を発売すれば、客が逃げるのも当然でしょう。

iTunes Music Storeの成功を見ると、今、音楽は1曲あたり100円ぐらい価値しかないんでしょうね。作り手が苦労してどんなにいい曲を作っても100円で売られるのであれば、音楽ソフトして売っていく以上、音楽以外の部分で付加価値をつけないとCDの売り上げ減少には歯止めがかからないと思います。ファイル交換ソフトをプロモーションに使うぐらいの発想の転換をしないと、売り上げ減少という泥沼から抜け出せないんじゃないかな。

結局、今のリスナーにとって、CDを買わずにファイル交換ソフトで手に入れた楽曲っていうのは、エアチェックしてカセットテープに録音された楽曲と同じなんじゃないかと思うんです。昔は欲しい曲がラジオから流れるまで粘って録音する行為が、ファイル交換ソフトで音楽ファイル検索するという行為に変わっただけで、ネットで繋がっているから規模が大きくなっているけど、やっていることはカセットテープの貸し借りと変わらないと思いますよ。それに、テレビやラジオの放送をエアチェックしてカセットテープに録音した楽曲の大部分って、レコードを買った経験ってあまりないんですよね。ほとんどの人が、興味はあるけど買うまでいかない楽曲の方が多いのではないしょうか。

当時でもエアチェックや貸し借りで手に入れた楽曲を一杯持っているのに、レコードを持っていない人もいて、そういうのに限ってレコードは買わないよっていうのが多かったように記憶してます。

いつの時代でも買わない人は何やっても買わない訳だから、買ってくれる人が買いたいと思う商品作りをしていかないといけないのではないかと思います。レコードの時代ってジャケットに表装に凝ったりとか、読み物として読み応えのあるものにして、買わないと味わえない魅力を工夫していたでしょ。それをもう一度取り戻す必要があるんじゃないでしょうか?

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ハーバード大学と、ノースカロライナ大学の研究者の調査によると、インターネットでのファイル交換は、音楽CD販売の売り上げにほとんど影響を及ぼしていないことが明らか...

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このページは、naganagaが2004年3月31日 15:56に書いたブログ記事です。

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