Political and Economy
そのうちみんなフリーターさっ!!
3月8日のNHKスペシャル「21世紀の課題 フリーター417万人の衝撃」という番組によれば、企業側にとって人件費を抑制できる便利な存在であるフリーターの需要は年々増加し2050年には、1:1の関係になるそうです。フリーターに支払われる賃金の安さから、GDPも大幅に減少していくき、さらには、低所得者の増加による税収や保険・年金の減少が進み、社会不安も増大されるそうです。
ただ、これら予想はフリーターの立場が現在のままという所からスタートしているので、実際にはそうならない可能性の方が高いと思います。
これからの社会は、フリーターという言葉が消えていくと自分は思っています。企業にとって究極の人件費抑制方法とは、会社を経営する社員以外は全員フリーターという形態ではないでしょうか。
既に実践されている所もありまして、プロスポーツの世界がまさにそうです。
選手はチームに雇用されているのではなくて、専属契約されているだけなので、契約期間が終わって別のチームからオファーがあれば移動していきます。もし、どこのチームからもオファーがなければ廃業ということになります。チームは職場を提供しているだけで、選手自体は、あくまで個人経営というのが実態です。
この雇用システムを普通の企業までもが採用を始め、手っ取り早く実践できるのがフリーターだったということでしょう。これにフリーターの給与に税金や社会保険料などを企業が面倒を見なくならなくなれば、正社員との格差はさらに縮まり、正社員のフリーター化はより進むような気がします。
今、派遣会社に所属している人たちが仕事のキャリアを広げるために、資料を読みあさったり、資格を取ったり、学校に通ったりしている努力を、自分たちも求められる時代がすぐそこまで来ているのではないでしょうか。ドイツのマイスター制度のように、資格を取らなければ、どんな職業にも就けないということもあり得るかもしれません。
ただ、以上の事柄は企業にとってプラスの面だけではなく、マイナスの面もあるでしょう。プロスポーツのスター選手のように、できる社員に莫大な給与が支払われ、それが企業の資金繰りを悪化さることも考えられますし、魅力的な職場を提供できない企業は、人材の大量流失が起きるとかもあるでしょう。欧米のように、日本も人の寿命よりも企業の寿命の方が短いなんてこともありうるでしょうね。
もう既に、企業内個人会社みたいなのを作って、来るべき時代に備えている人もいるかもしれませんね。一握りの企業経営者(経営者家族)が個人の行動を押さえつけることは、出来なくなりつつあるのではないでしょうか?一つの面白い例として「21」という会社の取り組みがいい例だと思います。未来の日本の企業の形がこういったものだといいのではないかと個人的には思っています。
しかしながら、この制度は、回り回って江戸時代の職人文化に戻ったともいえますね。当時は仕事といえば個人経営が当たり前で、仲介業者から仕事を貰ったり、自分で探したりでしたから。また、起業するのも楽でしたから、色々な新商売や珍商売が乱立していたそうです。これって戦前までは残ってた文化なんですよ。だから、ちょっと時間を50年ほど巻き戻せば良いだけかもしれません。