Naga Blog

Motorcycle

イギリスの新興メーカーSpirit Motorcyclesが、デビュー作「GP Sport」と「GP Street」の2種2仕様を発表しました。

Spirit Motorcycles GP Sport
Spirit Motorcycles GP Sport

新興メーカーのSpirit Motorcyclesは、最初のプロダクションモデルとなる、「GP Sport」と「GP Street」、さらに高性能な仕様として「GP Sport R」と「GP Street R」の2種2仕様を発表しました。

T3 RacingSpirit of the Seventiesの技術者たちによってSpirit Motorcyclesは新たなメーカーとして興されました。デビュー作の新しい4つのモデルはイギリスで開発生産されます。「GP Street」は「GP Sport」からカウルを取り去ったネイキッドバージョンで性能は同等で、「GP Sport R」と「GP Street R」は、より強力なエンジン仕様となり、それに対応した高度なエレクトロニクスパッケージを装備しています。また、生産型として各モデル50台づつ生産されます。その他、「GP Sport」の高性能を証明するために2017年シーズンの英国スーパースポーツ選手権に参戦する為のレーサーモデル「GP Corse R」が存在します。

「GP Sport」と「GP Street」のシャーシで一番目につくのはスチール製トレリスフレームで、同じ様なトレリスフレームを採用するDucatiやKTMと異なる特徴があり、構成するパイプは溶接されているのではなくロウ付けされています。フレームがわずかながら設計上意図した方向にたわむことができる性能上のメリットだけでなく、フレーム全体を切断することなく破損した部分だけを簡単に交換することができます。MotoGP仕様のアルミ製スイングアームはハンドメイドで製造され、シャーシの他の部分とサブフレーム、ホイールはカーボンファイバー製となり、徹底した軽量化が施された重量はわずか145kgとなっています。また、レーキ、トレイル、ヘッドアングル、ホイールベース、スイングアームの位置を調整変更できます。

「GP Sport」と「GP Street」、「GP Sport R」、「GP Street R」に共通して採用されるエンジンは、Triumphの「Daytona 675」用の排気量675ccの水冷DOHC並列3気筒12バルブエンジンで、これをベースに排気量749ccに拡大し、より多くのパワー発生させる為、圧縮比は13.1:1から13.5:1に、Rモデルでは13.8:1に変更。これにより、最高出力を11,900回転で126hpから13,200回転で160hpに、Rモデルでは13,200回転で180hpへと増大させています。ただ、エンジン性能の向上はされているものの変更されたパーツの耐久性以上となる為に信頼性はそれほど高くなく、短い間隔でサービスを受けなければいけないそうです。

「GP Sport R」と「GP Street R」はECUにMotec製の「M130」が採用されていて、シャーシとエンジン各所に取り付けられたセンサーと組み合わされています。エンジンパラメータセンサー、調節可能なトラクションコントロール、調節可能なアンチウィリー、調節可能な電子スリッパークラッチ、前後輪速度センサー、サスペンショントラベルセンサーとスピードセンサー、スロットル位置センサー、ブレーキ圧力センサー、燃料圧力センサー、燃料/空気モニターと可能な限りMotoGPレーサーに近い構成となっています。これらから得られた情報はECUから携帯電話の4G回線で、絶えずSpirit Motorcyclesのクラウドデータベースに送信されており、Spirit Motorcyclesに電話をすれば、走行データを解析して「GP Sport R」、「GP Street R」にデータを送信、ただちにセッティング変更することができるそうです。

Spirit Motorcyclesは、「GP Sport」と「GP Street」、「GP Sport R」、「GP Street R」の最初の生産モデルを先行して冬頃に用意するので、購入予約をした顧客に対しては1月にスペインでテスト走行ができるそうです。本格的な生産開始は2017年初頭からで、顧客のもとに届くのは3月頃になりそうです。価格は「GP Sport」と「GP Street」は、44,999ポンド(日本円で約636万円:2016年11月現在)で、別注のペイントやファンシーなエキゾーストのオプションがあります。「GP Sport R」と「GP Street R」は高性能バージョンという事でかなり高額です。「GP Sport R」が64,999ポンド(日本円で約919万円:2016年11月現在)から、「GP Street R」は69,999ポンド(日本円で約990万円:2016年11月現在)からとなり、レーシングキットの追加で性能と価格が上昇となります。

しかし、Spirit Motorcyclesは、これらのモデルが多くの人々にとって手の届かない存在である事は理解しているので、言語は低い価格(20,000ポンド(日本円で約283万円:2016年11月現在)前後)のスクランブラーも生産したい意向です。

一応、公道モデルとなってますが、ほぼロードゴーイングレーサーと言っても過言ではないです。国際舞台での実績は皆無の新興メーカーですから輸入しても日本の富裕層に売れるかは微妙ですね。恐らくガレージの肥やしか博物館行きな気がします。


引用元:MCN「Spirit Motorcycles launch with two new bikes

About this entry

このページは、naganagaが2016年11月27日 21:38に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「Apple、「AirMac」もやめるってよ。」です。

次のブログ記事は「Triumphが、クラシカルなトラッド系ストリートファイター「Speed Twin」を開発中という話。」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。