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他の異星人に誘拐されましたモノとは違う「超次元の旅-クラリオン星人にさらわれた私-」を読みましたヨ。

超次元の旅

最近、無性に不思議系の本が読みたくなって、どれがよいかなと、本屋に物色しに行くのですが、「2012年」とか「アセンション」、「フォトンベルト」系が幅をきかしていて、それ以外が読みたかった自分としては、選ぶ幅が薄かった今日この頃だった訳ですが、その時、本屋で発売されたばかりだった徳間書店刊「超次元の旅-クラリオン星人にさらわれた私-」を買ってみました。

題名からも分かるように、昔からよくある異星人に誘拐されましたモノです。UFOに乗ってあちこちに行って不思議なモノを見て来ましたっていうアマチュアSF作家でも書けそうな内容なので今までは買わなかったのですが、本書の目次を読むと、異星人とコンタクトする事で得た、失われた古代文明史、人類の始源、宇宙の成り立ち、今だ人類が独自の科学では未踏の部分が書かれている事が分かって、俄然興味が湧いたので読むことにした次第です。

著者のマウリッツォ・カヴァーロ氏は、1981年(記憶が消された1959年のコンタクトは含まず)から現在まで28年にも渡ってクラリオン星人とのコンタクトを続けているベテランのコンタクティーなんだそうです。世界的に有名らしいのですが、その体験を綴った本の日本での出版は初となるそうです。

正直、UFOに乗って異星からやってきた宇宙人とのコンタクトっていうのは、人気の無いところで秘密裏に行われるので、「誘拐された」って言われても当の本人しか事実かどうか分かんないので、この手の本を読む時のお約束である、そこを全く疑問に思わず、クラリオン星人とのコンタクトは事実だと仮定した上で読み進めます。

まずは、カヴァーロ氏が、クラリオン星人との初めてのコンタクトを行う所から始まるのですが、読み始めて面食らっちゃいましたヨ。原書を忠実に翻訳した為なのか。その文章は、極めて詩的で、欧州の古典文学を読んでいる様な気さえしてきます。個人的には馴れていないのナカナカ状況がイメージし辛く読み辛いんです。情景描写とか地球上の話だと何とかついて行けるのですが、クラリオン星人のUFO内部や基地とかの情景描写に至っては、詩的な文章で余計に混乱して頭の中でイメージが湧かないので苦労しましたヨ。読むのを止めてしまおうかとも思ったぐらいです。

詩的な文章に苦しみながらも、長い前置きを何とかクリア。それと同時に、カヴァーロ氏とクラリオン星人のコンタクトが、本書が昔からよくある異星人に誘拐されましたモノとは違い、人間、理解不能なモノに出会うと、受け入れたくないっていう思考になってしまう所にリアルさを感じますね。やっぱり、理解不能なモノを初めて見て興味津々っていうのは変ですヨ。

嫌がるカヴァーロ氏に、容赦なくクラリオン星人が知識を注入していく様は、ある種のSMプレイかと思う位ですね。そのうちカヴァーロ氏も、理解不能なモノや知識に興味を示しだしてくる所なんか、マゾの世界です。

第2章からは、カヴァーロ氏が、容赦ないクラリオン星人から強制的教えられた知識の断片が人類の始原から紹介されていきます。通説では人類は猿から進化した事になっていますが、その進化の過程は謎に包まれていて、実は猿から進化したというのも疑わしいという学者さんまでいる位なんですが、本書の説く1億8千万年前に地球にやってきた異星人が、DNAを操作し人類の進化に関与したっていう論理は、人類の進化に不思議と説明がついてしまいます。

また、人類が築いた文明は、今のモノだけではなく、過去にも存在し、数度の滅亡を繰り返しているんだそうです。滅亡の後、その超テクノロジーを記憶する生き残った人類が、滅びてしまった文明を、後世に伝える為に、超テクノロジーを神の力や魔法に置き換えて神話化しているというくだりは、納得させられるモノがあります。何にも知らない人に、専門用語を並べた技術書を読み聞かせたって理解出来ないのと一緒です。噛み砕いて噛み砕いて、子供にも分かるような内容にしてしまうと、どんな技術も魔法と区別が付かなくなると思いますヨ。

他にも、宇宙起源とか構造とか、様々な知識が書かれていますが、それのどれもが、現代科学が行き詰まっている部分を説明しており、長い便秘の後の様なスッキリ感がありますヨ。この手の話は、これだけ大風呂敷を広げて、でっち上げれば論理の矛盾や破綻がどこかに出てくるモノですが、個人的にはそれを感じませんでしたね。仮に本書の内容が全て嘘だとしたら、カヴァーロ氏は、今世紀最大のSF作家になれるでしょう。

異星人の先進技術は、今の人類が理解できないから眉唾ものだという意見がありますが、200年前の人類が、何の予備知識も無しに現代に放り込まれたら、カヴァーロ氏と同じように理解不能な知識に苦しめられるでしょう。立場を変えると、現代は魔法の世界です。そう考えると、本書に書かれたクラリオン星人の知識を無下に否定することはできないと思いますヨ。

ただ、肝心なところで「頭がおかしくなりそうな」「理解不能な」などの抽象的な表現が出てきて、カヴァーロ氏が遭遇したモノの実態に言及していない(できない?)部分が多々あるので、お預けを食らった犬のように消化不良な感じは残ります。それと、よく分からないのは、本書の最初でカヴァーロ氏の描いたイメージ画を自画自賛で掲載しながら、カヴァーロ氏が見たという情景や生物などのイメージ画を描いていない事ですね。文章だけではナカナカイメージにしにくいです。単にカヴァーロ氏に画力が無いだけかもしれませんが...。

後、おまけの別章なんですが、クリスタルスカルとかテンプル騎士団の推理は、クラリオン星人から得た知識ではなく、カヴァーロ氏がご自分で資料と格闘して得た推測でしょうね。他と比べて論理が乱暴な感じで、断片が繋ぎ合わさっていくような論理展開ではないですから。蛇足なんで読まなくても問題ないかなと思いますヨ。

ちょっと難解な詩的な文章に苦しみますが、読後は、色んな意味で疑問が解消されてスッキリします。実際にカヴァーロ氏の得た知識が本当なのか嘘なのか、人類のみの知識では、全てを検証できるのは、あと数百年かかるでしょう。というわけで、1度読んだだけでは、本当に理解するにはほど遠いと感じますので、もう一度通しで読む必要があるかも思っています。ある意味、スルメみたいな本だと思います。

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超次元の扉―クラリオン星人にさらわれた私 (超知ライブラリー)
浅川嘉富 やよしけいこ
徳間書店 2009-02-26
売り上げランキング : 43249
おすすめ平均 star
starアセンションできるかどうかは遺伝子操作次第?
star次に繋げる本
star全ての謎ガ解けた
star写真がすごいです
starこれはすごい!!!!

by G-Tools , 2009/06/18

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このページは、naganagaが2009年6月18日 21:38に書いたブログ記事です。

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