Book
境界型糖尿病の治療に近道無しって事を「糖尿病は薬なしで治せる」で知りました。
この角川書店刊の「糖尿病は薬なしで治せる」っていう本を買おうと思ったきっかけは、そのインパクトの強いタイトルではなくて、帯の下の方に少し小さい文字で書かれている「薬を使わず、食事と運動だけで治す!」というコピーなんです。自分の場合は、境界型糖尿病といって血糖値の範囲が、正常とも糖尿病とも言えないグレーゾーンに位置しているというだけの状態(紛らわしい名前ですが糖尿病は発症してませんヨ。)なんですけど、何もせず放っておくと糖尿病を発症してしまうらしいので、このコピーはズンと心に響いたわけですヨ。後、境界型糖尿病とは別に高脂血症と診断されて、現在、コレステロール低下剤を服用している状態(最近は真面目に飲んでないけど)で、さらに糖尿病関係の薬を処方されたくないという気持ちが強く、これ以上薬のお世話にはなりたくないので、糖尿病を宣告された医師である著者が、どのようにして糖尿病を食事と運動だけで治したのか知りたいと思い、なんか普段よりテンションが高い状態で読み始めました。
本書は、著者が重度の糖尿病と診断される所から始まります。その後、糖尿病がいかに恐ろしい病気か解説されるんですが、自分も漠然と糖尿病という言葉だけを知っていたのですが、とんな病気なのかを詳しく知る事ができました。実践編をやりたくなる脅しとしては効果抜群です。
第2章から実践編という訳で、糖尿病は薬なしで治す方法が紹介されるのですが、著者が編み出した特別な方法を期待した読者を裏切るがごとく、糖尿病治療ではポピュラーな食事制限と運動の併用で血糖値をコントロールする方法が紹介されます。既に知識をもって実践されている人には周知の内容なのですが、データと著者の経験から解説されているので、境界型糖尿病という事で、医者から知識を授けられていない自分にとって、ナカナカ有益でしたヨ。
食事は、規則正しい食事をして間食は食べない、食事の量と内容を見直し等々、今まで食事は、糖尿病や高脂血症になる為の食事だったって事が分かりましたヨ。脂質と糖質を多く含む食品は、どのようなモノがあるのか知れただけでも、読んで良かったと思いましたね。本書の読んだ後は、食事をする時は、努めてそれを避け、量を食べなくなりました。
また、血糖値を低下させる運動の効果も分かり、何も知らずに運動していた時よりも、楽しく運動が出来るようになりましたヨ。著者が調べた結果、ウォーキングが一番効果的なのは驚きましたね。激しい運動をしなければ効果が無いと思っていたので目から鱗が落ちました。やはり、人間は歩かないといけないんですね。お陰で「KSR110」を売る事になってしまいましたヨ。
第5章以降では、糖尿病に関する問題点が語られるわけですが、現代は様々な要因で糖尿病の発生率が上がっているというのは衝撃でしたね。食事の欧米化で肥満増加が原因なのは知られていますが、環境悪化や、精神疾患でも、糖尿病になってしまうというのは外から要因ということで、何だか無力感を感じてしまいます。
糖尿病薬の作用と副作用について書かれている第7章は、危険な薬であるにもかかわらず安易に処方されている現状が書かれていて、とても暗い気持ちになりますヨ。医者が病気を悪化させてどうするんですかね。きれいに完治させようという考えは、実は危険なのかもしれません。第8章からは、今後の糖尿病治療はどうあるべきか書かれているのですが、患者が、医者まかせにしないで積極的に予防や治療を行うといった自己防衛するしかないというのは、ちょっと辛いですね。
本書の後半で著者は「一病息災」という持病の一つぐらい抱えている方が、逆に健康に気をつけ長生きできるという意味の言葉をよく使うのですが、この位、気持ちに余裕を持っている方が病気と、うまく付き合えるようです。自分も、その位の余裕をもって、食事制限と運動を楽しく長く続けて行きましょうかね。そう思えるようになったのが、本書を読んでの最大の収穫でした。
- 糖尿病は薬なしで治せる (角川oneテーマ21)
- 渡辺 昌
- 角川書店 2004-09
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- おすすめ平均
- 1600万の同胞
- 当たり前の事を...下らない。
- 薬を越える運動の効果
- 糖尿病は薬なしで治せる
- 食事と運動の大切さが再認識できる。
by G-Tools , 2007/12/27