先日、写真だけが先行公開されていたHONDAの新しい08型｢CBR1000RR｣の詳細が、9月28日からフランスの首都パリで開催されている｢パリ・ショー｣で、正式に発表されました。既に先行公開された写真からも分かるように、今回の目玉はナンといっても(といってはナンなんですけど)、HONDAのGPレーサー｢RC212V｣のデザインとは決別したように見えるデザインですヨね。GPレーサーと同じデザインがウリでもあった訳で、そのウリをあえて薄めてみるという方向性みたいです。まんま、GPレーサーと同じデザインを引っ張るっていうのも確かに面白くないですからね。

ただ、08型｢CBR1000RR｣のデザインをよく見てみると、｢RC212V｣と完全に決別した訳ではないと思われます。シルエットはまさに｢RC212V｣とよく似ていて、細部に｢CBR1000RR｣独自のディテールを加えることで違いを付けているっていう感じです。

アッパーカウル周辺は大夫違っていて、全体的にヘッドライトの大きさが拡大された事と、細長いライトと丸ライトが組み合わされたデザインになった事、そしてノーズのスラントが緩やかになった事から、丸ライト時代のファニーさが蘇っている感じがします。ただ、ヘッドライト下のエアインテークとの関係が、Ducatiの｢1098｣のデザインに似ていてちょっと残念。もう少しオリジナリティを出して欲しかったですね。

サイドカウルは、ほぼ｢RC212V｣に準じる形になっていて、後方に向かって大きく口を開いたエアアウトレットはレーサーライクな格好良さがありますね。アンダーカウルから、後方のサイレンサーまでは、流れるラインが繋がるようになっていますね。流石にアンダーカウルビルドインの｢RC212｣とは違った美しいさがありますヨ。ただ、相変わらず、転倒するとクランクカバーのネジ山を潰しそうな形状はいかがなもんかと思いますね。

タンクは、HONDAのマークがYAMAHAのモデルようなデザインに変化していて高級感を演出しているのでしょうけど、なんか微妙。形状的には、後端が絞り込まれて細くなっており、大夫足つき性に気を遣ったデザインになっています。リアカウルは、申し訳程度のかなり小ぶりなモノで｢RC212｣っぽさを演出しています。ただ、そのお陰で荷物も申し訳程度にしか乗らなさそうですヨ。つり下げ式のリアフェンダーが宙に浮いているように見える程短いのも特長ですね。

ある意味、08型｢CBR1000RR｣と｢RC212V｣は、これだけ共通項を持ちながら、ちょっとした細部の変更で、これだけ別ものに見えるというのは面白いですね。

｢Motor Box｣の記事によると、08型｢CBR1000RR｣のエンジンは、水冷4サイクル並列4気筒のフォーマットとし、排気量999.8ccとなり、従来よりもコンパクトな設計になっているそうです。ピークパワーは12,000回転で177hpを発生し、最大トルクは8,500回転で113.8Nmを発生させます。レッドゾーンは12,250〜13,000回転からとなっているそうです。なんかスゴイ凶悪な数字が並んでいるんですけど、結構回転域が高いので排気量の割に下がない可能性があります。後、スリッパークラッチ採用していて、走行時のシフトダウンによる急激なエンジンブレーキを適度に自動調整する事でクラッチ操作が楽になっているそうです。

アルミ鋳造製の軽量ツインチューブとしたフレームは、従来よりも部品点数を削減しながらも、しなやかさと、適度な剛性を確保しているんだそうです。全体重量200kg(オイル関連を含んだ重量かと思われます。)と従来よりも6kg程の軽量化を実現しているそうです。

足回りについてなんですが、リアサスペンションは、｢CBR600RR｣と同様のシステムが採用されているみたいです。また、フロントフォークのキャスター角が変更になり23°18'となり、ホイールベースが5mm伸び1,405mmとなったそうです。少しハンドリングを直進安定性に振った鈍い仕様って事なんでしょうか。後、ブレーキに関しては書かれてないみたいです。

で、気になる価格なんですが、まだ発表されていません。現行より大幅に上昇するとは思えないので1,400,000円前後でしょう。今回、ラインシールとか貼られていない大人っぽいカラーリングなので、落ち着いた感じが良い人にはよろしいんじゃないでしょうか。