Book
「トンデモWeb業界 Webサイトはこうして作られる」で再確認。やっぱり、隣の芝生は青くなかったです。
弱小なんですけどWeb業界に片隅に籍を置いているnaganagaがなんで、Web業界の舞台裏が書かれたソフトバンククリエイティブ刊「トンデモWeb業界 Webサイトはこうして作られる」を買ってしまったのかと言いますと、隣の芝生は、どのくらい青いかを知りたかったからなんですヨ。田舎で企業囲われのデザイナーやっていると横の繋がりが無く、自分のやっている事が正しくなく、トンでもなく不幸を背負っているんじゃないかと思う時がありまして、ちょうどこの本は、自分の疑問に応えてくれそうだったんですよね。読む前、帯に書かれている「ファンタジーな顧客。下手なデザイナー。トンズラするプログラマー。」この一行のコピーで、自分が知っている芝生の青さと、どっこいどっこいじゃないかとふと脳裏によぎったのですが、せっかく買ったので読むことにしましたヨ。
内容は、どっちかというとトンデモ話のオンパレードではなく、フリーのWebプラグラマーとして実際にWeb業界に係わる作者の小田原貴樹氏が、仕事をこなす上で実際に遭遇したあったトンデモ話を交えながら、Web業界の実情や制作現場の概況を、素人にも、面白く分かり易く解説しているというものです。Web業界を主体にはしていますが、受注産業の全般に通じる内容が書かれていると思います。
で、読む前に感じた予感は的中しちゃいました。隣の芝生は、自分がよ〜く知っている青さでしたヨ。しかも真っ茶色のね。ああ、苦労しているのは自分だけじゃないんだと安心できたのと、転職したって状況は好転しないという事を確認できただけでも大収穫ですヨ。
なんか、世間的には、Web業界に限らず、ソフト業界とか、グラフィックデザイン業界とかの受注産業って、何だか横文字名の職業が多い為か、格好良くて羽振りの良いイメージで語られる事が多いですけど、この本にも書かれているように、殆どの人間は、地べたをはい回っているような地味な仕事ですよ。さらに、オタク的じゃないとやってけないですし...。
しかも、この業界、ある程度手の内を理解してくれる同業相手の仕事じゃなく、ド素人相手に仕事をするわけですから、様々なトンデモない要求やらワガママやらが、容赦なく浴びせられる訳です。酷い顧客はサイトを勝手にいじって破壊するという行為までやってくれるから、もう有り難いくて涙が出る存在ですヨ。また、これが不勉強で横着な営業が付くと、その尻ぬぐいで、もっと悲惨な事になってしまうわけです。
挙げ句は、この本にも書かれているように、デザイナーや、プログラマーの逃亡(退職)となるわけとですな。安月給でやってられるかって奴です。
Web業界に夢を描いているような人は、打ち砕かれること 必死ですヨ。これからWebサイトの作成に関ろうと思っている方や、これからITベンチャー企業とか、ソフト会社、デザイン会社、印刷会社等の受注産業に属する会社に就職しようと考えている方、仕事依頼しようと準備をしている方必読だと思います。いや、絶対に読んで、自分達の仕事をほんのちょっと楽にして下さい。お願いします。
逆に、Web業界にいる制作側の人達にも、仕事を円滑に回す方法が書かれているので、読んでおくべきだと思います。営業がやってくれるかは別な話ですが...。
--ぼやき--
現在、手掛けている仕事が、この本載っているトンデモ話を地でいくような感じで現在進行形でして、仕事放って正直逃亡したくなっている今日この頃です。(辞表書いたら楽になるぞという悪魔の囁きが聞こえる(怖))
- トンデモWeb業界 Webサイトはこうして作られる
- 小田原 貴樹
- ソフトバンククリエイティブ 2006-06-23
- 売り上げランキング : 77485
- おすすめ平均
- ややありきたりか
- Web屋の共感を呼ぶ一冊
- これがホントのWeb業界の実態でしょう!笑えます。
- あ〜わかる!
by G-Tools , 2006/10/23