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「瀕死の中国」と「中国瓦解」で、さら恐ろしい中共の実態を知る。

瀕死の中国

先日読んだPHP研究所刊の「中国の本当の危なさを知らない日本人」で、日本の大マスゴミが報道しない中華人民共和国(以下中共)の底なし沼の様な暗部の存在を知ったのですが、さらに突っ込んで知りたくなり、友人の薦めもあって、中共研究では定評のある宮崎正弘氏の著書、阪急コミュニケーションズ刊の「中国瓦解」を購入しました。

中国瓦解

さぁ、読み始めようかと思いおもむろに本を手に取った時、帯に「瀕死の中国」が紹介されていたのに気付き、これは続編ではないかと思ったんですヨ。とりあえず読むのを中止して、後日、本屋で「瀕死の中国」の内容を確認したら、思った通り「中国瓦解」は「瀕死の中国」の続編でした。早速、購入して「瀕死の中国」から読み始めることにしました。

最初に目次に目を通して、その項目の多さに、まず驚きましたネ。とりあえず、下記の列挙してみましたが、政治、経済、環境、外交、エネルギーと多岐にわたっている中国の暗部がこれでもかレポートされています。その幅広さに読む前から、呆れてしまいましたヨ。「中国の本当の危なさを知らない日本人」で紹介されている以外にも、中国ってイロイロ大問題を抱えているのですね。正直ここまでとは思ってなかったです。(先に「中国の本当の危なさを知らない日本人」を読んでいたので免疫はできてましたけど...。)

  • プロローグ:繁栄の蔭に崩壊の予兆が
  • 第1章:投機がやがて中国を滅ぼす
  • 第2章:中華思想は、"張り子の虎"
  • 第3章:瀕死の巨竜
  • 第4章:資源パラノイアの妄想
  • 第5章:はてしない環境破壊、水不足
  • 第6章:中国農業の崩壊
  • 第7章:「反日」は「反政府、反共産党」の記号である
  • 第8章:モラルも文学もどん底を迷走
  • 第9章:さらば中国、こんにちはインド
  • 第10章:東アジア共同体と台湾と
  • エピローグ:中国経済、崩壊の音が聞こえる
  • プロローグ:中国の高度成長は終わった
  • 第1章:バブル経済の崩壊は秒読み
  • 第2章:エネルギー覇権に狂奔
  • 第3章:あの「反日」は何だったのか?
  • 第4章:中国の爆笑問題
  • 第5章:だからこそ台湾侵攻がありうる
  • 第6章:中国外縁の国々の不安
  • 第7章:中国の闇の奥
  • 第8章:アフリカの角にまで浸透
  • 第9章:中国の対日陰謀
  • エピローグ:日はまた昇る日本、沈む中国

こんな感じで、余りの幅広さにビビリながらも読み始めましたヨ。年配の作家さんらしく文章表現が堅く、難しい言葉に苦戦しながらも、小さいコラムが集まったような構成と、自分にとって興味深い内容だったので、ちょっと時間がかかりながらも、なんとか読み進める事ができました。

毎年9%台の経済成長率(中共発表の数字なので信憑性が薄いけど)を誇り、世界の工場として繁栄を続けているという経済面と、日本では愛好者が多い「三国志」などの古典に代表される文化面から、さも素晴らしい国といったイメージで語られる事が多い中共ですが、そんな物は幻想であると切って捨てんばかりに、実体はかなり酷いようです。

「上に政策あれば、下に対策あり」という言葉通り、政府のお偉い方々が決めた法律があっても、執行する下っ端役人は、自分に都合の良いように解釈(人によって違う)して運用するので、民衆とっては法律なんてあって無いようなシロモノなり、場当たり的な対応してやり過ごす事が恒久化しているそうなんですが、ここ数年の経済の急激な伸びにより、中国人特有の強烈な拝金主義が復活し、未解決のまま山積していた諸問題が一気に深刻化しているようです。

特に、環境破壊は凄まじく、水質汚染、大気汚染、土壌汚染、砂漠化、それに伴う水資源の枯渇等々、かつて日本が経験した公害問題よりも大規模に進行しているそうです。これに連携しているのか、SARSやら鳥インフルエンザの発生も、毎年高い伸び率で増え続けているそうなのですが、上記のようなお国柄なので、うそ報告とかもアリで政府は情報収集に苦慮、対策は一向に進まず、放置状態だそうです。空いた口が塞がりませんネ。

経済も、改革開放をして政府統制下のもとに資本主義の導入をしたのはいいけれど、外国の資本と技術に頼きった政策を展開。その豊富な資金は投機としか思えないド田舎の巨大空港といった、一発で採算が合わず無駄と分かるモノに流れ込んでいるらしいです。

しかも、その開発計画は、そこに住んでいる地元民を冷遇した条件で立ち退かせるなど、無理矢理な計画で行ない、環境への配慮もないので、特に水資源が枯渇、代替え地でも農業ができなくなるぐらい酷い有様だそうです。農民を中心に民衆の不満が鬱積(手っ取り早く金にする為、農産物の農薬漬けも大流行)、中共全土で暴動やテロの件数が鰻登りなんだそうですヨ。一生懸命隠蔽してるけど...。orz

本の内容を思い返すだけでこうですから、正直、国として機能しているという事が信じられないですヨ。かろうじて、未だ景気が良い状態が続いているのと、中共は反対する者は排除といった全体主義な社会なので、保っているというのが現状のようです。

ただ、一時日本が抱えていた不良債権の量を、遙かに凌駕する大量の不良債権を抱えているので、中共の金融が崩壊した時、どんな事が起こるか考えただけでも恐ろしい。最悪、台湾への軍事行動もありうるのではないかという予想も書かれていましたが、自分的には、政府(共産党)内部での権力闘争は激しいので、内戦という事もあり得るのではないかと思っています。

正直、この「瀕死の中国」と「中国瓦解」は、日本が中国に肩入れするのは危険だという考えをより確かなモノにしてくれましたね。と同時に、中共の明の部分だけしか報道しない日本の大マスゴミは役に立たない存在なのだという事も、確認できて読んで良かったと思います。お陰で、民主党等の野党の外交政策が空虚なモノに思えて仕方ありませんヨ。中共に多少なりとも不信感を持っているならば、是非一度読むことをオススメします。

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このページは、naganagaが2006年10月 4日 23:00に書いたブログ記事です。

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