Book
「10年後の日本」は、現代日本の諸問題を知るには最適な1冊。
文藝春秋刊の「10年後の日本」っていう本を読みました。日本の現状から10年後の未来を予測したという内容で、帯の文句の「あなたは生き残れるか」は、インパクト大で、恐らく知ってることが殆どだろうと思いつつ買ってしまいました。読み終わって思った事は内容からすると、ちょっと誇大表現かなと思いましたね。どっちかというと、今日本が抱えている問題の数々を、分かり易く要約してまとめて書いているという内容が中心で、予測の部分は、現状から分かる範囲に止まっているように感じました。
また、今後、政府がこれら問題をどうしたいのかは予測しようがないので、最悪、無為無策で問題を放置するという前提にたたざるえないので不安だらけの暗い予想内容です。書き手も無下に不安を煽っているのではなく、問題を提起して、読む側に危機意識を持って貰いたいという意図もあるので仕方ないですね。楽観視し過ぎることは良くないですが、あくまで予測として流して読むのがよろしいかと思いますヨ。心配しても仕方ないですから。まぁ、予言とかのドンデモ本みたいな予測だと、逆に信用できなくなるので、ここら辺りの予測にしとくのが無難でしょう。
それ以外の現状をレポートしている部分は、右とか左とか思想的なモノを排除して経済的な目線でまとめられているのが好印象ですね。深く掘り下げて説明するのが、この本のあり方ではないので、情報の分量としてはこんなもんかと思ってます。この中で、何か興味がある項目があれば、それを深く掘り下げた本を読めばいいわけですからね。自分にとって興味の薄かった福祉分野の問題点が、理解できたのは収穫でした。
自分の場合、意図せず復習する事になった訳ですが、そういう目的にはちょうど良いですね。また、政治経済の問題に興味を持ち始めた人の入門用にも、最適な内容だと思いますヨ。