Movie
笑いっぱなしの2時間でしたよ「笑の大学」。
三谷幸喜脚本、星護監督の「笑の大学」に行ってきました。
最初、ラジオドラマとして世に出た本作品は、後に演劇として何度か再演され、そのたびに面白さをアップデートさせてきたようで、隙が無いと言えるほど、完成度の高い面白さを提供してくれます。今回、この「笑の大学」は地元の映画館で上映していなかったので、1時間かけて、観に来た甲斐がありました。こんなに面白いのに、なんで地元で上映されないのか不思議に思います。買い付け担当の目が節穴だったとまでは言いませんけど…。(言ってるって)
ただ、興行成績が良いので、1ヶ月遅れですが上映しますなんてやられたら、額に血管が浮き出るかもしれません。けど、そうなってくれたら、次は気軽に行けるので、再度観に行くような気がします。ちょっとはまったら中毒になってしまうかもしれない映画です。
内容は、他のメディアやBLOGで書かれているので割愛しますが、舞台劇の映画化ということもあって、ほとんど場面転換が無く、基本的に密室の中で話が進行していきます。この設定ってかな〜りリスキーで、話と一つ一つのセリフがつまらないと退屈になってしまうんですよ。動きと声が大きい割に滑りまくっている若手芸人の舞台を観ている様なものですね。
しかし、笑いの理論がこれほど面白いとは思ってもみませんでしたね。あくまで笑えればいいんじゃないかという椿一と、笑いにも整合性を求める向島検閲官との大まじめの応酬は可笑しかったし、本来演じる側でない二人が、恥ずかしがりながら演じる場面も最高でした。近くに座っていたおばさんが、声を出してゲラゲラ笑うので、つられて声を出して笑っていましたよ。ラスト近くなって、少しだけ話のテンションが下がるのですが、その時の力の抜け方が絶妙で最高です。劇場ではあまりホロッとはしない方なんですが、不覚にもホロッといってしまいました。人が殺される場面が無くても、ちゃんと戦争の悲劇を伝えることができるんですよ。人がバタバタ殺される場面だけ見せて反戦だと言ってる監督さん達には、是非とも見習って欲しいですな。
後、そのまま終わるのかと思いきや、エンドクレジットでも、笑わせくれたりするので、最後の最後まで席を立つ人がいなかったのが印象的でした。「エンドクレジットしか出てないやん。」と突っ込みを入れながら観ると、倍は楽しめますので、これから観ようと思っている方は是非やって下さい。
よく練り込まれた話と舞台演出、バリエーションに富んだカメラワークと、速いテンポで繰り返される間の良いセリフの応酬で、ベテラン芸人の舞台を観ているかの如く、楽しすぎて、2時間という上映時間はあっという間に過ぎてします。この映画を劇場にいる観客の位置にカメラを固定して撮っても、十分面白いとは思いますが、劇場で演じる側と観る側が共有できる生の迫力だけは、映像で再現することはできません。テレビで時々やっている舞台中継を観れば一目瞭然ですよね。映画として縁の下の力持ち的な演出されているからこその迫力なんだと思いますヨ。ある意味、観ている側に舞台でもいいじゃんと思わせれたら成功なんだろうな〜。星護監督だから「笑の大学」を演出できたといっても過言ではないと思います。
自分の中では、「スウィングガールズ」を抜いて今年観た映画トップ1になりましたね。DVDが出たら欲しいです。
- 笑の大学 スタンダード・エディション
- 役所広司 稲垣吾郎 星護
- 東宝 2005-05-27
- 売り上げランキング : 17292
- おすすめ平均
- 狙いは良いがインパクトに欠ける
- 時代の雰囲気は伝わり易くなっている
- 次は舞台版を観たいと思う
- おもしろい
- 稲垣吾郎のキャラが良かった
by G-Tools , 2007/11/22
- 笑の大学 スペシャル・エディション
- 役所広司 稲垣吾郎 星護
- 東宝 2005-05-27
- 売り上げランキング : 17247
- おすすめ平均
- 舞台と比較してしまう・・・
- ミスキャスト
- 深みのある作品には違いないのに
- 映画版も楽しめましたが!!
- 絶妙な間が笑いを誘う
by G-Tools , 2007/11/22