お隣韓国のモーターサイクルメーカーHyosung(ヒョースン)っていうメーカー、知ってます。日本では全くと言っていいほど知られてませんが、ちゃんと日本法人もあるくらい韓国では大メーカーなんだそうです。
このHyosungは、今までは主に125cc前後の小型車を生産していたメーカーで、大型排気量のモデルはラインナップしていなかったようです。｢GT650｣で、様々なメーカーが群雄割拠する大型排気量クラスに参入を果たし、今回、｢GT650S｣、｢GT650R｣という2モデルを市場に追加投入するそうです。

｢GT650｣が、ネイキッドで、｢GT650S｣がハーフカウル、｢GT650R｣がフルカウルというモデルになっています。3モデルの違いというのはそれだけで、性能とか装備には差違はありません。日本には｢GT650｣だけが入ってくるみたいです。

｢Motor　Box｣の記事によると、この｢GT650｣に搭載されるV型2気筒エンジンは、9000rpmで79psを発生させます。ただし、完全な自社開発のモノではないようです。ランクケースのカバー等やパイビングに若干の差違は見られますが、スズキのSV系のエンジンをベースにしているようで、ヘッド周りは特に酷似しています。パワーは600ccクラスの2気筒エンジンとしては標準的なパワーですが、フィーリングはどうなんでしょうね。興味があるところです。

次にフレーム関係ですが、BENELLIのモデルを意識している2本のパイプを組み合わせたメインフレームは、正直安っぽいですねぇ。スイングアームピボットの部分が異様にごっつい割に、細いパイプをちょちょいっと溶接でつなげているだけのように感じるので、こんなんで剛性は問題ないんですかね。コーナリング中の車体のよじれが酷そう気がします。ハンドリングは...。

これまたスゴイのは、フロントのブレーキキャリパーなんです。いや〜、ちっこくてかわいいのが付いてますね。メーカーはこれで性能的には十分だと力説するのでしょうが、高速域からフルブレーキングした時、ちゃんと止まれるのかと心配せずにはいられません。けど、その割には倒立フォークだったりと、なんか金をかけるとこ間違えてませんか。

スタイリングは、ある意味スゴイですね。基本的にはDUCATIのデザインを意識しているみたいなんですが、他にイタリアの色々なメーカーのデザインを足したらこうなりましたっていうゴッタニ状態。タンクの日本風な形状がアジアを主張しています。特にアッパーカウルに大きく空いたダミーのエアダクトが泣かせますなぁ。いつかはラム圧という野望が見え隠れしていると思うのは恐らく考えすぎでしょう。かっこいいというだけで付けちゃう感覚がイイですね。そういえば、20年位昔の日本車のデザインも近いことしてましたねぇ〜。

基本的に、日本でHyosungを買おうと考える人は、まず安い価格しか無いだろうと思うので、そういう意味では、それなりに見栄をはれるモーターサイクルなんではないかなと思います。けど、車検付きのモーターサイクルを買う層が安い価格というだけでは選ばないと思うので、日本市場では台数を稼ぐのは難しいかな。ただ、そのチャレンジ精神は素晴らしいと思います。