Motorcycle
イイ意味で常識外れのBMW K1200S。
前のエントリーで紹介したBMWの新型モーターサイクル「K1200S」なんですが、続報がいつもの「MoterBox」に掲載されていました。
今回は、斜め前からK1200Sを撮った写真が公開されていたんですが、先に公開されていた横だけの写真を見たときにイヤにライトがでかいと思ったら、3つ目だったんですね。上に1つ、下に2つの構成になっています。ちょうど、同じ3つ目を採用していたアプリリアの先代RSV1000と真逆ですね。ということは、下2灯が通常で上がハイビームのようですね。上目なんで、対向車はまぶしいかもしれませんね。
横のBMWマークのところも自動車のZ3ロードスターのような処理をしているんですね。これはライト下にキドニーグリルを付けられなかったから、こうしたんでしょうか。
さて、エンジンなんですが、600cc並の幅でシリンダー角が55度と寝ていると書いてもピンとこないところがあったのですが、実際写真を見てると箱ですね。シリンダーヘッドとギアボックスがほぼ同じ位置にあります。シリンダーが寝ているので普通の構成だとエンジンの前後長が長くなるのを嫌って、クランクシャフトより上にギアボックスが来るようになっています。基本的には、ヤマハのYZF-R1のエンジンに影響を受けたような構成ですね。ただし、BMWの開発者はヤマハ以上に、シャーシの低重心化と小型化に徹底的ににこだわったのが、エンジン単体だけでもヒシヒシと伝わってきます。
吸気と排気は普通で後方吸気、前方排気なんですけど、このエンジン場合、上方吸気、下方排気って言った方がしっくりくるような気がしますね。これだけ垂直に近いとインジェクターから噴射されたガスがそのまま真っ直ぐ燃焼室に落ちていく感じなので、効率が良さそうな気がしないでもないです。
最大出力の167馬力を10.250回転で発生させるそうです。国産車のパワー競争が過激すぎて普通なように感じますが、このパワーでも、人間が扱うには十分すぎるパワーです。
このエンジンを搭載するフレームも、前輪のタイヤのすぐ上にピボット部がありますから、思ったよりかなり下ですね。重量物が全て下に固まって配置されているとは、正に、このモーターサイクルの為にある言葉でしょう。コーナーリング時の倒れ込みの早さや安定性がどんなものか、全く未知のものなので予想すら思い浮かびません。1つ言えるとすれば、コーナリングスピードはかなり高そうです。
また、この低重心化の副産物として、車重を感じないぐらい取り回しが軽そうです。けっこう立ち転けはしにくいかもしれませんね。完全に走るダルマさんと言っても言い過ぎじゃないかもしれません。
一番驚いたのが、前の足回りの構成ですね。もはや、フォークではなくなっています。タイヤとハンドルを結ぶのは黒い小さなロッドしかありません。横から見た形状は自動車のダブルウィシュボーン(独立懸架)そっくりです。これだと、ハンドルとサスが直接繋がっていないので、前輪に寄りかかるようなボジションをとっても前輪に力が加わりませんし、ブレーキング時の車体のピッチングも、上下運動だけで円運動は全くしないので、現在主流のテレスコピックサスのような不安な動きはほとんどしないでしょうね。予想としては自動車でブレーキを踏んだときのような弱いピッチングを伴いながら止まるのではないかと思います。
低重心の車体構成と安心してフルブレーキングが出来る前サスということで、確実に異次元の安定性をもったハンドリングなんじゃないかとは推測できますが、実際のところ、面白いモノなのかそうではないのかは、実際に乗ってみないと分からないでしょうね。
まぁ、自分たちの場合は、こういう革新的な技術を体験するには、転かして購入するリスクをしょって試乗するか、買ちゃうかしないと体験できないのが辛いところですな。シミジミ。